病気

巻き爪が痛い!自分でできる 応急処置やセルフケアを解説

巻き爪の痛みを放っておくと歩きにくくなり、身体全体のバランスを崩してしまう可能性があります。そうなる前に早めに対処することが大切です。

今回は、自分でできる応急処置やセルフケアの方法を詳しく解説していきます。

巻き爪が痛い!自分でできる応急処置の4つ方法

巻き爪が痛いときに自分でできる応急処置の方法を4つご紹介します。

巻き爪の応急処置方法

  • コットンパッキング
  • テーピング
  • 絆創膏を使う
  • 食い込み部分の処理

応急処置では完全に巻き爪を治すことはできないかもしれませんが、痛みを和らげたり炎症を抑えたりする効果があります。

方法①コットンパッキング

「コットンパッキング」はコットンやガーゼを爪と皮膚の間に挟み込み、クッションを作ることで痛みを緩和します。

コットンパッキング

挟み込むコットンの量はあまり多いと爪と皮膚を圧迫してしまうので、5~7mm程度で十分です。コットンを詰め込み過ぎると歩くときに圧迫されて、爪が割れる原因になるので注意してください。

爪と皮膚の間に隙間を作ることができないときは、方法②のテーピングを試してみましょう。

方法②テーピング

「テーピング」は爪が皮膚に食い込む力を小さくすることで、圧迫感や痛みを和らげる方法です。

テーピング

伸縮性のある布テープを使って皮膚を引っ張り、爪と皮膚の間に隙間を作ります。

方法③絆創膏を使う

絆創膏を使って「コットンパッキング」と「テーピング」を組み合わせた応急処置をすることも可能です。

絆創膏を使う

絆創膏のコットン部分を爪と皮膚の間に食い込ませ、痛みを緩和させます。

ただし絆創膏の場合はコットンパッキングと異なり、爪と皮膚の間に挟み込む厚さを調節しにくいです。難しい場合は無理せずに、パッキングとテーピングを併用するようにしましょう。

方法④爪の端を丸く削る

巻き爪の食い込みがごく軽度で違和感のある程度なら、爪の端を爪やすりで削って丸く整えるだけで爪と皮膚への負担がかなり軽減されるでしょう。

爪の端を丸く削る

ただしあまり削り過ぎると、深爪になり巻き爪を悪化させてしまいます。爪の長さは指の先端を目安に真っすぐにし、角を軽く丸くした形に整えるのがベストです。

巻き爪が痛い!市販薬を飲むのもアリ

巻き爪が痛いときは一時的な措置として、市販痛み止めを飲むのもよい手段です。痛みを和らげるためには「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」の含まれている市販薬を飲むようにしましょう。

頭痛や歯痛などのときに飲まれることが多い「ロキソニン(第一三共)」や「EVE(エスエス製薬)」には「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」が配合されていますので、巻き爪の痛み止めとして有効です。

ただし市販の痛み止めを飲んでも一時しのぎで、巻き爪の治療にはなりません。痛みがひどいときには医療機関を受診するようにしてください。

巻き爪で爪の端が膿んでいるときの対処法

巻き爪で爪の端が膿んでいる場合にコットンパッキングやテーピングを行うと、かえって傷口を悪化させ痛みを増してしまいます。

爪の端が膿んでいるときは、以下のように応急処置を行いましょう。

①膿を取り除く…ティッシュやコットンなどで患部を押し、膿を吸い取ります。炎症が悪化しないように、やさしく押すようにしましょう。

②患部を洗い流す…水かぬるま湯で患部を洗い流し、清潔なタオルで水分を拭きとります。

③患部を保護する…清潔なガーゼを当てて、患部に汚れが付かないように保護します。

膿が出ている場合、無理に触りすぎると炎症が悪化してしまいます。応急処置ができたら、医療機関を受診して適切な処置を受けてください。

巻き爪の応急処置に役立つ道具をご紹介

巻き爪の応急処置についてご説明しましたが、爪と皮膚の間は隙間が狭くて素手では処置しにくいですよね。また素手で触ることによって、爪と皮膚の間に雑菌が入ってしまう可能性もあります。

そこで巻き爪の応急処置に役に立つ道具を4つご紹介します。

いずれもAmazonなどのネットショッピングやドラッグストア、ホームセンターでも気軽に手に入れることができます。一度揃えておけば応急処置だけでなく日常のセルフケアにも使えますので、ぜひ参考にしてください。

直刃型の爪切り

直刃型の爪切り
引用元:Amazon 

爪が長すぎる場合は、応急処置をする前に爪を切るようにしましょう。目安の長さは指の先端です。

一般的な爪切りは爪の端が深く切れるように刃が丸くなっているので、巻き爪を切るのに適していません。直刃型の爪切りを使って、爪に沿うように少しずつ切るようにしてください。

アドソンピンセット

アドソンピンセット
引用元:Amazon

アドソンピンセットとは「皮膚外科医用の細いピンセット」のことです。特に先が細くなっているので、爪端を掴むのに適しています。

アドソンピンセットには「有鈎タイプ」と「無鈎タイプ」があります。巻き爪の応急処置を行うときには、「無鈎タイプ」を選ぶようにしましょう。

もし手に入らないときは、ドラッグストアにあるような細めのピンセットで代用することもできます。

爪やすり

爪やすり
引用元:Amazon 

画像のような「平やすり」がおすすめです。爪の端にコットンを詰めるときに、爪脇を押し下げるのに役立ちます。

また爪切りでは切れない細かい部分を整えたり、分厚い爪を削ったりするのにも便利です。

爪ゾンデ

爪ゾンデ
引用元:Amazon 

爪ゾンデは爪の端を狭い隙間から持ち上げたり、綿を詰めたりするときに便利です。また爪周りの垢やごみの除去など、普段のネイルケアにも利用しましょう。

巻き爪の正しいセルフケア4選

巻き爪は、「足に合わない靴を履いている」「足に正しく力が伝わっていない」「爪の切り方が間違っている」など、生活習慣に大きく関わっています。予防するためには日々のセルフケアが重要です。

【巻き爪の正しいセルフケア】

  • 清潔を保つ
  • 正しく爪を切る
  • 足に負担をかけない靴を選ぶ
  • 正しい歩き方をする

清潔を保つ

爪を清潔に保つ

巻き爪のセルフケアには足を清潔に保つことが大切です。

巻き爪になると、爪と皮膚の隙間が大きくなり角質が溜まりやすくなります。角質は痛みや爪水虫の原因になるので、爪ゾンデや歯ブラシなどを使って除去するようにしましょう。

また爪周りの皮膚が固くなっているときは、皮膚が乾燥してしまっています。市販のハンドクリームなどで、しっかり保湿してマッサージしましょう。

正しく爪を切る

スクエアオフカット

足の爪の理想の形は「スクエアオフカット」です。スクエアカットとは「角のとれた四角形」のことをいいます。指の先端を長さの目安にして切りましょう。

巻き爪を切るとき、爪切りは直刃型が最適です。一直線に刃先を使って、少しずつ切っていきます。一度に切ってしまうと、深爪にしてしまったり爪割れの原因になったりするのでNGです。

爪切りの後は爪やすりを爪の角にあてて、滑らかになるように削ります。爪切りで切った部分も、滑らかになるように削ってください。

足に負担をかけない靴を選ぶ

先端が尖っている靴やハイヒールは足の爪が圧迫されて曲がりやすいため、巻き爪になりやすいです。

またスニーカーでも自分の足型に合っていない靴を履き続けると、爪が変形する可能性があります。

足に負担をかけない靴の基準は以下の通りです。

  • 足先に1cmくらいゆとりがある
  • 全ての足の指が靴の中で動かせる
  • ヒールがしっかりしている
  • 足を固定できる紐靴

また靴は毎回紐を緩めて足を入れ、紐を締め直すようにしましょう。

自分の足型に合っていないは、外反母趾やうおの目などの原因にもなります。足の健康を守るために、足に負担をかけない靴を選ぶようにしてください。

正しい歩き方をする

歩き方のクセも巻き爪の原因になります。足の指に力を入れて、正しく地面に着く歩き方を心がけましょう。

正しい歩き方ができていると、重心が足の裏をスムーズに移動していくのがわかります。

【正しい歩き方をしているときの重心移動】

①かかとで着地してから、重心は前方に移動する

②その後重心は小指の付け根から親指の付け根へと内側に移動する

③最後に親指へ重心が移動する

歩くときは姿勢も重要です。背筋を伸ばし、腕を後ろ側に振ることを意識してみましょう。

巻き爪が痛い!病院に行くべき判断基準は?

巻き爪は軽度であれば、応急処置でよくなることもあります。

しかし以下のような場合は、早めに医療機関での治療することをおすすめします。

  • 指がズキズキといたい
  • 化膿している
  • 痛くて歩きにくい
  • 靴を履くと痛い

巻き爪は痛みを我慢して放っておくほど重症化し、治療に時間がかかってしまいます。また重症化すると、爪が剥がれたり歩行困難になったりする可能性もあります。

巻き爪が痛いときは何科を受診すべき?

巻き爪の治療は「皮膚科」「整形外科」「形成外科」で受けることができます。

  • 皮膚科…炎症が気になる人におすすめ。塗り薬による治療が多い
  • 整形外科…巻き爪の原因を相談したい人におすすめ。
  • 形成外科…爪の食い込みがひどい人におすすめ。手術での治療がメイン

自分に何科が適しているかわからないときは、まずは「皮膚科」で相談するようにしましょう。また近頃は巻き爪専門治療をしているクリニックもあるので、そちらを受診するのもおすすめです。

巻き爪の病院での治療法は『矯正治療』が主流です

巻き爪治療というと、手術をイメージする人も多いかと思います。手術だと大掛かりなので、治療するのに尻込みしてしまいますよね。

しかし現在の巻き爪の治療方法は「矯正治療」が主流です。矯正治療は矯正器具を使って本来の爪の形に近い状態にすることにより、皮膚の痛みを防ぎます。

治療①矯正器具を装着する

矯正器具

金属でつくられた矯正器具を爪に取り付け、爪の形を矯正していく治療方法です。矯正器具には「爪のふちに引っ掛けるタイプ」や「爪の先に装着するタイプ」などがあります。

爪への負担も少ないため、爪が割れやすい人にも有効です。

治療期間は3~6ヶ月と、比較的短い期間で終われます。この期間内に1ヶ月に1度くらいのペースで通院し、器具の交換や調整をしながら治療を続けていきます。

治療②ワイヤーを留置する

ワイヤー

爪の先端に2か所穴を開けて、ワイヤーを通して巻き爪を矯正する方法です。ワイヤーは形状記憶合金で作られており、ワイヤーが元の形に戻ろうとする力を利用します。

ワイヤーの太さや穴の位置を調整できるため、爪の形や硬さ、厚さなど様々な状態に対応可能です。治療期間は3~6ヶ月で、爪の伸びる速さに応じて通院してワイヤーを取り換える必要があります。

治療③プレートを装着する

プレート

樹脂や形状記憶合金で作られたプレート(オニクリップ板)を爪の表面に装着して、爪の形を矯正します。矯正器具やワイヤーに比べると強制力が弱いですが、見た目に目立たないのが良い点です。

プレートの方法は医療機関でなくても、巻き爪ケアの民間資格を取ったネイルサロンでも受けることができます。治療期間は6ヶ月ほどです。

まとめ

巻き爪が気になったら、まずは簡単な応急処置やセルフケアで対処してみましょう。

しかし「痛みがある」「化膿している」「靴を履くと痛い」など、普段の生活に影響が出ているときはなるべく早く医療機関を受診してください。

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