病気

巻き爪の治療は痛い?治療法や治療期間を解説

「爪が指に食い込んでいて違和感がある」

「巻き爪で指が腫れて痛い」

巻き爪でお悩みの方の多くは「何とかして治したい」とお考えのはずです。しかしすでに巻き爪で辛い思いをしているので、治療で痛い思いはしたくないですよね。

巻き爪の治療は痛いのでしょうか?

今回は、巻き爪の治療の痛さや治療法などを詳しく解説していきます。治療方法ごとの費用や治療期間もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

【結論】巻き爪の治療は基本的には痛くない

【結論】巻き爪の治療は基本的には痛くない

巻き爪の治療というと爪に穴を開けたり、皮膚と爪の間の間に詰め物をしたりするなど、見ていると痛そうに感じるものが多いです。

しかし実際のところ、巻き爪の治療は基本的に痛くありません。また施術中もほとんど痛くないので、麻酔を注射する必要もないです。

むしろたった一回の治療を受けるだけでも爪が正しい位置に矯正されるので、今まで感じていた指の痛みや違和感がかなり和らぎます。

もし「治療が痛いのは嫌だ」という理由で治療をためらっているなら、すぐにでも治療を始めてください。

巻き爪の治療が痛いときもある

巻き爪の治療が痛いときもある

巻き爪の治療にほぼ痛みがないことは確かです。しかし治療する爪の巻き込み方が強かったり皮膚に深く食い込んでしまっていたりする場合は、爪の矯正器具を付けるときに違和感や痛みがあるかもしれません。

また巻き爪の手術は治療に即効性がありますが、爪の一部を切除するので、治療後に痛みが残ることもあります。

巻き爪の症状がひどい場合は治療すると痛い

繰り返しになりますが、巻き爪の矯正治療にほとんど痛みはありません。しかしプレートやワイヤーなど矯正用の器具を付ける過程で、指や爪を触ったり抑えたりします。ご自身で触っただけでも痛いという方は、施術中に痛みや違和感があるはずです。

たとえば以下のような症状のある方の場合、矯正治療でも痛みがあります。

  • 爪がカギ状になって指に食い込んでいる
  • 巻き爪が180度巻いてしまっている
  • 爪の周りが腫れて赤くなっている
  • 寝るときに布団が当たるだけで痛い
  • 歩くと爪のせいで痛みがある
  • ストッキングをはいていると巻き爪部分が痛くなってくる

治療を始めてすぐの頃は違和感や痛みがあります。しかし2回、3回と続けるうちに痛みはなくなり、爪の形もどんどん綺麗になっていきます。

巻き爪の手術をすると痛い

巻き爪の手術には、痛いポイントが大きく2つあります。

  • 手術前の局所麻酔をするとき
  • 手術後、局所麻酔の効果が切れてきたとき

巻き爪の手術をするときには患部の近くに麻酔を注射するので、針を刺す痛みがあります。手術中は麻酔が効いているので痛みはありません。しかし手術後1~2時間すると麻酔の効果が切れてきて、痛みが出てきます。

ただし手術後の痛みは処方される消炎鎮痛剤などで抑えられるので、「我慢できないほど痛い」ことはないでしょう。

巻き爪の原因はおもに4つ

巻き爪の治療の痛みについて解説してまいりましたが、いかがでしょうか?巻き爪の治療は痛みのある場合もありますが、長く続くものではありません。

巻き爪を治療せずに放っておくほうがどんどん重症化し、足指以外の部分の不調が出たり歩行が困難になったりします。

「巻き爪が痛い」と感じているなら、悪化しないうちに治療にとりかかりましょう。

日本人の10人に2人は巻き爪」といわれるほど、巻き爪になった経験のある人は多いです。

巻き爪になったことのなる人の中には、遺伝的要因や体質で「巻き爪になりやすい人」もいらっしゃいます。しかし多くの方の場合、巻き爪になる原因はおもに4つ挙げられます。

原因①自分の足に合わない靴

指先に負担のかかる靴を長時間はいていると、爪が圧迫されてしまい巻き爪になりやすくなります

日常的に以下のような靴をはいている方は要注意です。

  • つま先が細くなっている靴
  • ヒールが高すぎる靴
  • かかとがフィットしていない靴
  • 足がしっかり固定できない靴

つま先が細いパンプスやハイヒールの靴が、巻き爪の原因になるのはよく知られています。

また意外なことに、運動のしやすいスニーカーも巻き爪の原因になることがあります。

たとえばサイズが大きすぎて靴のかかとを引きずるような形ではいていると、つま先への負担が大きくなってスニーカーでも巻き爪の原因になるのです。

靴を購入するときは必ず試着して、自分に合った靴を選ぶようにしましょう。

原因②足指に力が入らない状態が続く

ご高齢の方や入院中の方など、歩く機会が減ると巻き爪の原因になります。また足の指を浮かしたような状態で歩く「浮指」のくせのある人も巻き爪になりやすいです。

本来爪のアーチ型は、足指でしっかり地面を踏み込む力で保たれています。ところが歩く機会が減ったり浮指だったりすると、足指に力が入らず爪が巻く力に負けてしまって巻き爪になるのです。

原因③爪の切り方が間違っている

爪の切り方が間違っている場合も、巻き爪の原因になります。足の爪は手の爪よりも痛みを感じにくいため、つい切り過ぎてしまったり爪の形に合わせて丸く切ってしまったりしがちです。

実は爪の端を短く切り過ぎてしまうことで伸びてきた爪が皮膚に食い込み、巻き爪の原因になります。

つめの正しい形は「スクエアオフ」です。名前の通り爪の形は四角に、角が引っかからないように爪やすりで軽く整えるようにしましょう。

また爪の長さは指の先端を基準として、短くなりすぎないようにしてください。

原因④糖尿病など病気の恐れもアリ

巻き爪は、病気の症状の一つの可能性もあります。糖尿病になると爪に栄養がいきわたらず爪が正常に伸びないため、巻き爪になりやすいです。

糖尿病は神経障害によって、感覚が麻痺してしまうことがあります。そのため巻き爪が皮膚に食い込む感覚が鈍くなり、巻き爪の症状が重症化するリスクもあるので注意しましょう。

また爪水虫などの爪の病気になると爪がもろくなって変形しやすくなるため、巻き爪になる恐れがあります。

足の爪の伸びるペースは、1か月に1.5mm程度です。しょっちゅう切る必要はありませんが、日常的に見る習慣をつけておくと爪の変化に気づけるでしょう。

巻き爪の治療は何科でできる?治療方法を比較

巻き爪の治療は何科でできる?治療方法を比較

巻き爪の治療のできる治療機関や治療方法を一覧にしてまとめました。

治療機関主に行われる治療メリットデメリット
皮膚科保存的治療がメイン。
・内服や外用の抗菌剤の処方コットンパッキングやテーピングなどの対象療法
・肉芽腫の液体窒素療法
・一部の皮膚科ではマチワイヤー法やB/Sスパンゲ法などの矯正治療が受けられる
身近にあり、通いやすい。すべての皮膚科が巻き爪に対応しているわけではない。
本格的な矯正治療が受けられるのは、皮膚科全体の1割程度。
フットケア外来保存治療がメイン。
症状悪化の防止や日常生活での足のケア方法などを、アドバイス・指導してくれる。
足全般のお悩み相談ができる。矯正治療にはほぼ対応していない。
整形外科骨や関節の痛みなどに対応。 ワイヤーによる矯正治療がメイン。 歩き方、靴などの指導をしてくれる。足を専門にしている医師に対応してもらえる。巻き爪に対応できる整形外科が少ないので事前に調べておく必要がある。
形成外科手術療法がメイン。手術で巻き爪の根本的治療ができる。
重度の巻き爪にも対応してもらえる。
開業医では手術ができないところがほとんどなので、大学病院など大きな病院の形成外科に行く必要がある。
サロン・整骨院などプレートの矯正治療がメイン。軽度の巻き爪に対応している。医療行為ができないので重度の巻き爪の治療は不可。

巻き爪の治療はどのタイミングで行くのが正解?

巻き爪の治療を始めるタイミングは、ごく初期の症状の時が正解です。もちろん爪が皮膚に食い込んで膿んだり、爪がストロー状に巻きこんだりしても治療はできます。

しかし症状が悪化するほど、治療にお金や時間がかかることになります。

また軽度であれば、お住いの近くの皮膚科やサロンなどでも対応可能です。しかし重症化すれば、巻き爪に特化した専門の医療機関を探して受診しなくてはいけません。

なるべく簡単に短期で費用をかけずに治療したいなら、巻き爪の痛みが強くなる前に治療にとりかかりましょう。

巻き爪治療は保険適用になる?ならない?

巻き爪の治療は、ほとんどの場合保険適用になりません。

もともと巻き爪の治療は「医療行為」だと考えられていましたが、平成28年に国から「医師が治療を要しないと判断した巻き爪の予防的ケアは医療行為ではない」という通達が出されました。そのため巻き爪の矯正治療は原則医療行為ではなくなり、保険適用外となったのです。

その代わり軽度の巻き爪であれば、サロンや整骨院で気軽に行えるようになったのはメリットといえるでしょう。

巻き爪の治療の費用と治療期間

実際に巻き爪の治療は、どのようなものが行われているのでしょうか。

治療法初回費用通院頻度治療期間
フェノール法(手術)数千円基本的に手術日の1回で終了10~30分
アクリルガタ―法(矯正)8,000円前後1か月に1回1か月~
形状記憶プレート法(矯正)5000円~10,000円1~2か月に1回6か月~
VHO式巻き爪治療(矯正)5,000円~12,000円1~1か月半に1回3~6か月
マチワイヤー法(矯正)5,000円~12,000円2~4週間に1回約6か月
B/Sスパンゲ法(矯正)5000円~10,000円2~3か月に1回約6か月

フェノール法

フェノール法とは皮膚に食い込んでいる部分の爪を取り除いた後、フェノールという薬剤を爪母に塗布して部分的に爪を生えなくする治療方法です。

手術で根本治療を行うので、巻き爪が再発する可能性はほぼありません。

【フェノール法のメリット・デメリット】

メリットデメリット
保険適用
・腫れや化膿など巻き爪が重症化していても治療できる
・治療当日から入浴できる
・基本的に1回の治療で終了
・切除した部分の爪は2度と生えてこない
・幅の狭くなった爪が巻き爪を再発すると、矯正治療での完治は難しい
麻酔が痛い術後麻酔が切れてくると痛い

アクリルガタ―法

アクリルガタ―法は爪が皮膚に食い込んでいる部分にアクリル製のチューブを挿し入れ、痛みを軽減させながら徐々に爪を正常な形に矯正する治療方法です。

矯正力があまり強くないので、爪の巻き込みが重度の場合は治るまでに長期間かかる可能性があります。

【アクリルガタ―法のメリット・デメリット】

メリットデメリット
・重症化した巻き爪にも対応
矯正具があまり目立たない
・肉芽形成した陥入爪の治療にも有効
保険適用外(一部医療機関では保険適用あり)
・麻酔をしなくてはいけない
・矯正力があまり強くない
・慣れるまで矯正具に違和感がある

形状記憶プレート法

形状記憶合金のプレートを爪の表面に貼り付けて、爪を正常な形に矯正する治療方法です。

【形状記憶プレート法のメリット・デメリット】

メリットデメリット
・薄い爪に効果がある
一回の施術時間が短い
保険適用外
・重度の巻き爪には対応していない
・治療期間が長い

VHO式巻き爪治療

VHO式巻き爪治療は「血を出さず痛くない治療法」として人気を集めている治療法です。専用のワイヤーとジェルを使って、巻き爪の治療を行います。

またVHO式巻き爪治療を行うにはライセンスが必要で、治療用具はライセンス取得者にのみ販売されています。

【VHO式巻き爪治療のメリット・デメリット】

メリットデメリット
・症状や爪の形に合わせてワイヤーを調整できる
皮膚や爪への負担が少ない
・効果に即効性がある
保険適用外
・厚い爪には効果がない
器具交換のため2~4週間に1度通院が必要
・施術者の技量に効果が左右される

マチワイヤー法

マチワイヤー法は、整形外科医の町田医師によって開発された治療法です。その影響もあり、巻き爪治療に対応している整形外科では「マチワイヤー法」が広く行われています。

爪に2か所穴を開けて超弾性ワイヤーを通すことで、巻き爪を徐々に矯正していきます。穴を開けるのは爪の白い部分なので、痛みを感じることはないです。

【マチワイヤー法のメリット・デメリット】

メリットデメリット
・矯正力が強い
・1回の治療にかかる時間が短い
対応できる症状が幅広い
保険適用外
・爪の白い部分に2mm程度長さがないと施術が難しい
・器具交換のため2~4週間に1度通院が必要
・巻き爪が再発しやすい

B/Sスパンゲ法

B/Sスパンゲ法は、形状記憶の特殊なプラスチックプレートを専用の接着剤を使って、爪の表面に貼り付けて巻き爪を矯正する方法です。。

B/Sスパンゲ法はサロンや接骨院でも施術を受けられます。

【B/Sスパンゲ法のメリット・デメリット】

メリットデメリット
・見た目にまったく目立たない
矯正法のなかで、唯一根元まで矯正できる
・矯正器具の持ちがいい
・即効性がある
・厚い爪にも対応できる
保険適用外
・施術者の技量によって効果が左右される

まとめ

巻き爪の治療の痛みについて解説してまいりましたが、いかがでしょうか?巻き爪の治療は痛みのある場合もありますが、長く続くものではありません。

巻き爪を治療せずに放っておくほうがどんどん重症化し、足指以外の部分の不調が出たり歩行が困難になったりします。

「巻き爪が痛い」と感じているなら、悪化しないうちに治療にとりかかりましょう。

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