巻き爪の矯正治療とは爪を切除せずに爪の形を矯正して治療する方法です。今回はその中でもワイヤー矯正治療についてご紹介していきます。
ワイヤー矯正治療は、方法によって効果や費用などが異なるので、最後まで読んでぜひ治療の参考にしてください。
巻き爪のワイヤー矯正治療はどこでできる?
巻き爪の矯正と聞くと、真っ先に「皮膚科」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。巻き爪のワイヤー矯正治療は「皮膚科」「フットケア外来」「形成外科」で受けることができます。
また「ネイルサロン」や「巻き爪専門治療院」でも一部ではワイヤーの矯正治療が行われています。しかしほとんどの場合は、テーピングや矯正器具、プレートを使った施術をするようです。
巻き爪のワイヤー矯正治療は3種類
巻き爪のワイヤー矯正治療にはいくつか種類があります。施術をしている施設によって独自の方法を考案しているところもありますが、今回は3種類のワイヤー矯正治療についてご説明します。
それぞれの方法に特徴がありますので、ワイヤー矯正治療を相談するときの参考にしてください。
傷みが少ないマチワイヤー法
マチワイヤー法は爪の白い部分に穴を開けて、弾力性の強い形状記憶合金のワイヤー通す矯正方法です。ワイヤーが真っすぐに戻ろうとする力を利用して、爪の形を矯正します。爪の伸びた部分にワイヤーを通すので、施術のときの痛みが少ないです。
ただし爪が伸びるとワイヤーの位置を調整する必要があるので、爪の伸びる頻度に合わせて通院しなければいけません。
マチワイヤー法のメリット
マチワイヤー法には、以下のようなメリットがあります。
- 施術中の痛みが少ない
- 簡単なので、施術時間が比較的短い
- 入浴や運動など通常通りに行える
- 施術を受けた当日からいつも通りの生活が送れる
マチワイヤー法の一番の魅力は施術時間が比較的短く施術中の痛みが少ないため、巻き爪のワイヤー矯正治療が初めての人でも施術を受けやすい点です。また施術を受けたその日から、歩行はもちろん入浴や運動など日常生活を送ることができます。
マチワイヤー法のデメリット
ワイヤーの矯正治療が初めての人でも施術が受けやすいマチワイヤー法ですが、いくつかデメリットもあります。
- 爪が割れたり、変形したりことがある
- 爪が平坦になりすぎる場合がある
- 爪の先端しか矯正できず、再発する場合がある
- 深爪だと施術できない
- ワイヤーの再利用はできない
- 爪の黄線が後退する可能性がある
マチワイヤー法は爪の白い部分に穴を開けなくてはならないので、深爪だとすぐに施術できません。爪の白い部分を2mm程度伸ばす必要があります。またワイヤーの弾力性と爪のコンディションが合っていないと、割れたり変形したりする恐れもあります。施術をしたことに満足せずに、定期的に病院に通うことが大切です。
マチワイヤー法の施術手順
矯正力が高い3TO(VHO)法
3TO(VHO)法は、爪の形に合わせたワイヤーを爪の両端にひっかけて、さらにそこにフック型のワイヤーをひっかけひねり上げるようにして固定する矯正治療方法です。マチワイヤー法のように爪に穴を開ける必要がないので、短い爪でも施術できるのが特徴です。
爪の側面にワイヤーを挿し込む形になるので、入る場所によっては痛みを感じる場合があります。しかし強制力が高いことが魅力的です。
3TO(VHO)法のメリット
3TO(VHO)法には、以下のようなメリットがあります。
- 矯正力が高い
- 爪が短くても施術できる
- 施術をした日から日常生活が送れる
- ワイヤーの矯正頻度が少ない
3TO(VHO)法は、爪の根元に近いところからしっかりと矯正できます。そのため爪への負担が少なく、爪の先端で矯正するマチワイヤー法に比べて爪の形の改善が可能です。また爪の根元付近からの矯正なので、短い爪でも施術できます。さらに一度ワイヤーを装着したら、装着した部分が爪の先端付近に伸びてくるまで調整する必要がありません。頻繁に通院しなくてもいい点も、大きなメリットです。
3TO(VHO)法のデメリット
3TO(VHO)法のデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 施術に時間がかかる
- 化膿した状態で施術すると痛い
- 施術費用が比較的高い
- 靴や靴下で装着部分が圧迫されると、痛いことがある
3TO(VHO)法は巻き爪の症状がひどいほど、装着に時間がかかります。さらに化膿している状態で施術すると痛みがあるため、状態によっては局所麻酔をすることもあります。
またマチワイヤー法と同じように、施術した当日から日常生活を送って問題ありません。しかし靴や靴下で装着部分が圧迫されて痛むことがあるので、無理をしないよう注意が必要です。
3TO(VHO)法の施術手順
ワイヤーでしっかり矯正されるので、今まで感じていた痛みは施術後すぐに軽減するはずです。しかし爪にひっかけたワイヤーで痛みを感じたり、痛みが増したりした場合はすぐに専門家に相談するようにしましょう。
治療期間が比較的短いツメフラ法
ツメフラ法は、中札内村立診療所所長の鈴木俊二先生が考案した巻き爪の矯正治療法です。「ツメフラ」というワイヤーで作られたバネ状の特殊な矯正器具を用いることで、痛みがなく短期間で矯正治療を行います。またツメフラ法で使われる「ツメフラ」は様々な形状があることから、「ツメフラシリーズ」とも呼ばれているようです。
さらにツメフラは再利用することができます。矯正治療が終わってからも自宅で再装着して、巻き爪の予防や再発を防止することが可能です。
ツメフラ法のメリット
ツメフラ法の大きなメリットは、ツメフラに様々な形状があるため幅広い巻き爪の程度に対応できることです。
- 様々な爪の形に対応できる
- 爪への負担が少ない
- 重度の巻き爪でも矯正可能
- 矯正器具の着脱が簡単
- 矯正器具の再利用ができる
- 巻き爪の予防や再発防止に効果的
ツメフラ法は巻き方のひどい爪や分厚い爪、短い爪であっても施術することができます。またツメフラに使用されているワイヤーは特殊な素材で作られているので、再利用が可能です。矯正治療が終わった後も残しておけば、再発した場合に自分で装着することもできます。
ツメフラ法のデメリット
様々な巻き爪に対応できるツメフラ法ですが、行っている施設はあまり多くないのが大きなデメリットです。
- ツメフラ法を採用している施設は少ない
- 爪が割れる場合がある
- 施術の時に痛みを感じる場合がある
- 内出血することがある
ツメフラ法はまだ施術できる術者が少なく、矯正治療を受けられる施設が少ないです。また術者の技量や経験によっては爪が割れたり、痛みを伴ったりする場合があります。また施術後はすぐに効果を感じることができますが、矯正器具を付けたまま激しい運動をすると内出血することもあるようです。
ツメフラ法の施術手順
術者の技量によりますが、ツメフラ法はただ爪を真っすぐにするだけでなく「個人にとって最も機能的な形に矯正する」ことが可能です。
巻き爪のワイヤー矯正治療の初回の費用相場と治療期間
マチワイヤー法、3TO(VHO)法、ツメフラ法、それぞれの初回の費用相場と治療期間をまとめました。
治療法 | マチワイヤー法 | 3TO(VHO)法 | ツメフラ法 |
---|---|---|---|
費用相場 | 9,000円程度 | 10,000~15,000円 | 15,000~20,000円 |
矯正力 | △ | 〇 | 〇 |
通院頻度 | 1~2ヶ月に1度 | 2~3ヶ月に1度 | 1ヵ月毎 |
治療期間 | 半年~1年 | 半年~1年 | 3~6ヶ月 |
特長 | 痛みが少ない | 矯正力が高い | 矯正具が再利用できる |
巻き爪のワイヤー矯正治療が保険適用外なのはなぜ?
巻き爪のワイヤー矯正治療は保険適用外です。しかし「病院で治療を受けるのになぜ?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
巻き爪のワイヤー矯正治療が保険適用外なのは、いくつか理由があります。
巻き爪のワイヤー矯正治療は医療行為ではなく「予防的ケア」であると国が通達しているため、保険適用外になります。ただし巻き爪が炎症や化膿していて、薬を処方したり爪を切除したりする場合は保険適用になります。
巻き爪のワイヤー矯正は自宅でも可能?
巻き爪は痛みや炎症などがないのであれば、自宅でセルフケアするのもいいかもしれません。ドラッグストアやインターネットショップには、たくさんのワイヤーの矯正器具が販売されています。
セルフケアのメリットは自宅で簡単にできるだけでなく、皮膚科などで矯正治療を受けるよりも費用が安いことです。
ただし合わない矯正器具を装着したり症状が重いのに我流で矯正したりすると、症状が悪化してしまいます。「爪が皮膚に食い込んで痛い」「爪で皮膚が傷ついて、化膿している」といった場合には、専門家に相談するようにしてください。
まとめ
巻き爪のワイヤー矯正治療についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?ワイヤー矯正治療は方法によって、通院のタイミングや治療期間が異なります。専門家に適切なアドバイスを受けながら、治療を進めるようにしてください。