病気

巻き爪の矯正治療の方法は?期間や料金相場も詳しく解説

「巻き爪の治療」というと、手術を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?実は巻き爪治療は、切らない矯正治療が主流です。

今回は巻き爪矯正治療の方法や治療期間、料金相場について詳しく解説していきます。

巻き爪矯正治療を受けている人の症状とは?

巻き爪矯正治療を受けている人の症状とは?

「自分の爪が巻き爪かどうか」常に気にしている人はあまりいません。大部分の人は指に痛みを感じたときにはじめて「巻き爪であることに」に気づくようです。

一言で痛みと言ってもいくつかのパターンがあります。

  • 常に指先に痛みがある
  • 長く歩いたとき、つま先が痛くなる
  • つま先の尖った靴を履いた時に痛みが出る

巻き爪は通常放っておいて治るものではありません。痛みを我慢し続けると、痛みが増したり化膿したりと症状が悪化していきます。さらに症状が悪化することで、歩行が困難になるなど日常生活に大きな支障が出ることもあるのです。巻き爪で痛みを感じたときは、なるべく早く矯正治療を始めることをおすすめします。

また巻き爪は痛みがなくても爪が変形するので、見た目を気にして矯正治療を始める人もいます。軽症の巻き爪は矯正治療をすれば、短期間で治療可能です。寒い時期から治療を始めて、素足を出す時期までに爪の形を整えるのもいいでしょう。

巻き爪は矯正治療ができない場合もある?

巻き爪であっても、矯正治療を施せない場合があります。

【短すぎる爪】

短すぎる爪

爪が短すぎると矯正具の装着ができないため、矯正治療することができません。そのため矯正治療ができる長さになるまで、爪を伸ばす必要があります。爪の両端に白い部分が1~2mmほど出てくるまで待てば、巻き爪の矯正治療が可能になります。

【極端に変形した爪・薄い爪】

爪水虫などの爪の疾患によりもろくなっている爪や極端に薄い爪の場合、巻き爪の矯正治療をすると爪が割れてしまう可能性があります。矯正治療できるかどうか、まずは皮膚科などの専門家に相談してみましょう。

巻き爪矯正治療は何科で受けるべき?

巻き爪矯正治療は何科で受けるべき?

巻き爪の矯正治療は、以下のようなところで矯正治療が受けられます。

【巻き爪の矯正治療がうけられるところ】
  • 皮膚科
  • フットケア外来
  • 当院のような巻き爪専門院

症状が重い→軽い順に「皮膚科」「フットケア外来」「巻き爪専門院」とお考えいただくとよいでしょう。

皮膚科は全身の皮膚に関する診療科です。爪も皮膚の一部なので皮膚科で巻き爪の矯正治療を受けることができます。また「フットケア外来」は足の傷や変形、痛みなどの症状を専門に扱うところです。当院のような巻き爪専門院と似ているようですが、フットケア外来は皮膚科と同じく医師が在籍していることが特徴です。

一方巻き爪専門院での巻き爪矯正治療は、ほとんどの場合フットケアセラピストなどの有資格者が矯正治療を行います。フットケアセラピストは巻き爪矯正など足の専門知識や技術を持っていますが、医療行為ができません。そのため化膿や出血がひどいときは皮膚科やフットケア外来での処置が必要になります。

巻き爪の矯正治療は原則保険適用にならない

巻き爪の矯正治療は基本的に保険適用外です。というのも巻き爪矯正治療は日本では医療行為ではない「ケア」とされているからです。

つまり矯正器具を利用した巻き爪矯正は、皮膚科やフットケア外来といった「医師のいる医療施設で受けても保険適用されない」ということになります。

ただし矯正治療では治せないほど症状が悪化して手術で治療する場合は、保険が適用されるケースもあるのでご安心ください。

巻き爪の矯正治療の3つの方法

巻き爪の矯正治療の3つの方法

巻き爪矯正治療にはおもに3つの方法があります。

【巻き爪矯正治療】

矯正治療の方法治療期間の目安通院の頻度初回料金の相場
矯正器具を使う方法3~6か月1~2ヶ月6,000円~15,000円
ワイヤーを使う方法3~6か月1~1ヶ月半5,000円~12,000円
プレートを使う方法6か月2~3ヶ月5000円~10,000円

具体的に説明していきます。

矯正器具を使う方法

矯正器具を使う方法

金属でできた器具を爪にひっかけて、爪の形を少しずつ矯正する方法です。この方法は、「爪の先にひっかけるタイプ」と「爪のふちにひっかけるタイプ」の2種類があります。

  • 爪の先にひっかけるタイプ…爪の幅に合ったサイズの器具を選べる。処置の時間が短く、爪へのダメージが比較的少ない。
  • 爪のふちにひっかけるタイプ…根元のほうから深く巻いている爪にも使いやすい。

初回の治療後、1~2ヶ月ごとに通院して調整を行います。その際には1,000~2,000円程度、矯正器具を交換する場合は初回と同じくらいの費用が必要です。

ワイヤーを使う方法

ワイヤーを使う方法

形状記憶合金で作られたワイヤーを使う方法です。爪の先に2つの穴を開け、ワイヤーが元の形に戻ろうとする力を利用して巻き爪を矯正します。爪の大きさや分厚さ、硬度など爪の状態によって、ワイヤーの太さや穴を開ける位置で対応することができます。

1~1ヶ月半ごとに通院してワイヤーを入れ替える必要があり、その都度2,000~4,000円程度の費用がかかります。

プレートを使う方法

プレートを使う方法

板状のプレートを爪の表面に装着し、爪の変形を矯正する方法です。プレートは樹脂や形状記憶合金でできており、その力を利用して爪を矯正します。矯正器具やワイヤーを使う方法に比べると矯正力は弱いですが、見た目に目立ちにくいのが特徴です。

手軽にできる方法のため、ネイルサロンなどでも施術されています。

初回治療の後は、2~3ヶ月ごとにプレートを交換します。費用は初回と同じくらいです。

当院の巻き爪治療の料金などはこちらを参照してください。

巻き爪の矯正中の日常生活の3つの注意点

巻き爪の矯正中の日常生活の注意点

巻き爪の矯正治療をしている間は、次の通院日を待つだけではいけません。

【巻き爪の矯正中の日常生活の注意点】
  • 医療用テープで保護する
  • 激しい運動は控える
  • 清潔を保つ

日常生活に気を配ることによって、矯正治療の効果を最大限に引き出していきましょう。

注意点①医療用テープで保護する

医療用テープで保護する

寝ている時や靴下の脱ぎ履きをするときなどは、巻き爪の矯正具がはずれやすいです。そのため、医療テープで矯正具を保護しましょう。医療テープの貼り方は矯正具の上部分だけも、指周りを一周ぐるっと巻いても問題ありません。

ただし巻くときには、テープを引っ張らないように注意してください。テープをきつく巻き過ぎると、矯正具の力と反発して巻き爪の矯正治療がうまくいかない可能性があります。

また医療用テープが汚れたまま放置すると、爪の端が炎症を起こしたり化膿したりする可能性があります。入浴後や汗をかいたときなどは、こまめに取り換えるようにしましょう。

注意点②激しい運動は控える

運動をすると、矯正具がはずれやすくなるので注意が必要です。特にサッカーなど足の爪に負荷がかかる運動は爪を痛める可能性があるので、控えるようにしましょう。

注意点③清潔を保つ

巻き爪の矯正治療中は、清潔を保つことが不可欠です。巻き爪の矯正治療中は、矯正具を装着したまま入浴して問題ありません。矯正具がはずれないように気をつけながら、洗浄するようにしましょう。

【矯正部位の洗い方】

  1. 入浴前に保護用の医療テープははずしておく
  2. 矯正具がはずれないように、石鹸と手を使って優しく洗う
  3. 石鹸が残っていないか確認しながら、洗い流す
  4. 入浴後は水分が残らないようにタオルで拭く
  5. ハンドクリームなどで足全体を保湿する
  6. 医療用テープを巻き直す

巻き爪の矯正治療中でも、温泉の入浴や海水浴も可能です。ただし金属の矯正具の場合は温泉の成分や海水は錆の原因になりますので、必ず真水で洗い流してから乾かすようにしてください。

巻き爪は自分で治すことができる?

巻き爪は自分で治すことができる?

巻き爪のセルフケアは、テーピングやコットンを使った方法が一般的です。また矯正具は、ドラッグストアやAmazonなどのネットショッピングでも購入することができます。

巻き爪の症状が初期の段階であれば、セルフケアでも痛みの緩和や症状改善に効果があります。しかし、巻き爪を自分で長期間ケアすることはおすすめできません。なぜならセルフケアを続けても、効果が感じられない場合「ケアの方法が間違っている」「巻き爪の症状が重い」ということが考えられるからです。

巻き爪のセルフケアの期間は「3ヶ月を目安」とし、治る兆しが見られないときは皮膚科などの専門家に相談するようにしてください。また3ヶ月経っていなくても「痛みが増してきた」「化膿した」など、症状が悪化したときはただちにセルフケアは中止しましょう。

巻き爪矯正器具市販のおすすめ3選

巻き爪の矯正具は皮膚科などに行かなくても自分で購入することができます。症状がひどい場合は専門家の矯正治療を受けることをおすすめします。しかし症状が軽度だったり忙しくてすぐに病院に行けなかったりするときは、まずは市販の矯正具を試してみるのもいいかもしれません。

ここでは、簡単に購入できるおすすめ巻き爪矯正具をご紹介します。

巻き爪用クリップ(Dr.Scholl)

巻き爪用クリップ
参照:Amazon https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07Q9BG96P/ref=as_li_qf_asin_il_tl
商品名巻き爪用クリップ
ブランドDr.Scholl
メーカーレキットベンキーザー・ジャパン株式会社
タイプワイヤー
サイズ・S 14.5mm ・M 16.5mm ・L 18.5mm

ワイヤータイプの矯正具です。サイズがS・M・Lの3種類あるので、爪の大きさに合わせることができます。爪の先端にひっかけるタイプなので、爪の白い部分を2~3mm伸ばしてから使用するようにしましょう。

通常のワイヤータイプの矯正具の形状記憶合金は、爪が矯正されてくるにつれてもとに戻ろうとする力が弱くなっていきます。しかしこの商品は一定の力を維持しながら元に戻るので、爪がしっかり広がるまで力を加え続けられることが特徴です。

右(左)側のフックを爪に挿し込み、次に反対側を挿し込むだけで装着は簡単に完了します。しかし両端のクリップの広がる幅に限度があるため、あまり分厚い爪や極端に変形している爪には向いていません。

一般医療機器 巻き爪ワイヤーガード(サイプラス)

一般医療機器 巻き爪ワイヤーガード
参照:Amazon https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01M5F3BM1/ref=as_li_qf_asin_il_tl
商品名巻き爪ワイヤーガード
ブランドサイプラス
メーカー株式会社サイプラス
タイプワイヤー
サイズ1種類 横17 × 高4 × 奥5mm

巻き爪ワイヤーガードはワイヤータイプの矯正具で、価格が低価格なので「まずは値段の安いものを試してみたい」という方におすすめです。形状はシンプルで一本のワイヤーの両端にフックがついていて爪の先端に挟み込み、ワイヤーの強い弾力で爪を持ち上げるようにして矯正します。爪の端にフックをひっかけなくてはいけないので、白い部分を3mm程度伸ばしてから使用しましょう。

またこの矯正具は4mmの厚みがあります。矯正前の時点で靴や靴下を履くと圧迫を感じる方が使用する場合は、慎重にご検討ください。

ネイル・エイド(巻き爪・陥入爪治療の相談室)

ネイル・エイド
参照:Amazon https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08R926K57/ref=ox_sc_act_image_1
商品名ネイル・エイド
ブランド巻き爪・陥入爪治療の相談室
メーカー合同会社 ひまわりコーポレーション
タイプワイヤー
サイズ14mm・16mm・18mm

埼玉を中心に診療をおこなっている、形成外科専門医の簗(やな)由一郎先生が開発した巻き爪の矯正具です。フックやクリップなどはついておらず矯正具そのものを爪の先端にひっかけて使用します。伸ばしておく爪の白い部分は1mmと、先に紹介した2商品に比べて短い爪でも使用できることが特徴です。ただし、ネイル・エイドは器具自体が直線のため、爪の先端を直線にカットしておく必要があります。

また分厚い爪でも装着可能で、厚さ2mm程度の爪にも対応可能です。

詳細な適応サイズはこちらを参照してください。
https://medical-media.jp/wp-content/uploads/2021/01/figure_30@2x-3.jpg

まとめ

まとめ

巻き爪の矯正治療について解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

巻き爪は放っておくと症状が悪化するだけでなく、治療に時間とお金がかかってしまいます。「巻き爪が痛い」「指に圧迫を感じる」といったときは、症状が軽いうちに矯正治療を受けるようにしてください。

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