深爪は見た目がコンプレックスになるだけでなく、感染症や巻き爪、陥入爪などのリスクが上がる危険な状態です。
しかし、陥入爪でお悩みの方にとって、治すのは簡単なことではないでしょう。
本記事では、深爪の治る期間や1日でも早く治す方法を詳しく解説していきます。
深爪が痛いときの対処法もご紹介するので、「切り過ぎた爪を治す方法が知りたい」「噛み癖があるせいで深爪になり続けている」「深爪が痛いけど、どうしたらいいかわからない」という方はぜひ最後までご覧ください。
深爪の治るまでの期間

深爪とは、爪のピンク色の部分まで切ってしまっている状態です。単純にいうと、爪を本来の長さに伸ばせば深爪ではなくなります。
深爪でなくなるまでにはどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
- 爪の長さが戻る期間:2ヶ月
- 深爪が完全に治る期間:6ヶ月
爪の長さを戻すだけなら2ヶ月
繰り返しになりますが、爪の長さが本来あるべき長さに戻れば、見た目のうえで深爪ではなくなります。
1ヶ月あたりの爪の伸びる速さの目安は、以下のとおりです。
- 手:約2mm
- 足:約1mm
たいていの深爪であれば、1~2ヶ月程度で爪の長さを改善可能です。ただし、指先の皮膚の大きく露出してしまっているような重度の深爪の場合は、半年ほどかかるケースもあります。
「深爪の見た目をなんとかしたい!」という方は、まず2ヶ月ほどひたすら爪を伸ばしてみてください。
深爪を完全に治すなら6ヶ月
爪を健康な状態に戻すなら、深爪すべてのリニューアルが必要です。爪を適正な長さに戻した後は、爪の長さをキープしながら6ヶ月ほど伸ばし続けていきましょう。
深爪は2ヶ月程度伸ばし続ければ、爪が適正な長さに伸びます。しかし、爪が伸びただけでは深爪が治ったとはいえません。
深爪でダメージを負っている爪は、折れやすかったりデコボコしていたりしています。
爪は根元から1枚のプレートのように伸びていくので、爪先にいくほど深爪でダメージを受けた部分です。
爪の根元の部分が先に行きつくまで、だいたい6ヶ月かかります。つまり、完全に健康な爪を取り戻すために必要な期間は約半年です。
実は深爪が治っていない状態3選

爪が伸びてくると「もう深爪が治った」「伸びたから大丈夫」と考えがちです。しかし、時間をかけて爪を伸ばしても、まだ深爪が治っていない状態である場合もあります。
- 爪が弱い
- むしり癖・噛み癖が治っていない
- 白い部分しか伸びていない
3つの状態を知って、深爪が治っているかの判断基準にしてください。
【深爪が治っていない状態①】爪が弱い
爪が弱い状態では深爪が完全に治ったとはいえません。爪が弱いと折れたり欠けたりして、また深爪になってしまう恐れがあります。
爪が弱い原因はおもに3つが考えられます。
爪が弱い原因 | 対策 |
---|---|
乾燥 | ・オイルやクリームで保湿する ・水分を摂取する |
血行不良 | ・指をマッサージする ・適度な運動をする ・ビタミンEを摂取する |
栄養不足 | ・タンパク質を摂取する ・ビタミン類を摂取する ・ミネラル類を摂取する |
健康な爪を形成するには、日頃のネイルケアとバランスのいい食事がポイントです。深爪矯正をするときは、爪の長さと一緒に爪の健康も取り戻しましょう。
【深爪が治っていない状態②】むしり癖・噛み癖が治っていない
深爪になっている原因が、むしり癖や噛み癖という方も多いでしょう。長年無意識にやってしまっていた癖は、簡単に治るものではありません。
どんなに深爪を治したいと思っていても、ストレスで噛んだりお風呂で柔らかい爪をむしったりとせっかく伸ばした爪をダメにしてしまうのです。
深爪を治すなら、むしり癖や噛み癖も一緒に治しましょう。むしり癖や噛み癖を治すには、ジェルやスカルプチュアなどの人工爪が有効です。
人工爪を付けると爪に厚みが出るので、物理的に爪を傷つけにくくなります。好きな色やアート、装飾で彩られた爪を見ると、むしったり噛んだりするのがもったいなく感じられるでしょう。
また、爪をむしったり噛んだりする代わりに、ハンドクリームを塗るように習慣づけるのもいい手段です。悪い癖を防ぐだけでなく、手指のケアもできます。
長年の癖は簡単に治るものではありませんが、深爪矯正を機会にゆっくりとなくしていきましょう。
【深爪が治っていない状態③】白い部分しか伸びていない
爪のピンクの部分と白い部分の黄金比は4:1といわれています。しかし、深爪矯正をするために爪を伸ばし始めると、「白い部分ばかり伸びてしまう」ことも少なくありません。
白い部分は皮膚にくっついていないので、長く伸ばしても折れたり欠けたりしやすいです。せっかく伸ばしても、深爪を繰り返してしまうでしょう。
白い部分ばかりが伸びるのは、「ハイポニキウム」に関係があります。ハイポニキウムは爪のピンクと白の間にある部分で、指と爪の間に菌が入らないように防いでいる大事な部分です。
爪切りで爪を切り過ぎるとハイポニキウムも除去されるため、爪は新たにハイポニキウムを作ろうとして爪のピンクの部分を後退させます。
つまり、深爪にすればするほどハイポニキウムが下がって、ピンクの部分が少なくなるのです。反対に、ハイポニキウムより上の爪は白くなってしまいます。
爪のピンクの面積を広くするためには、ハイポニキウムを前進させましょう。
ハイポニキウムは、爪の白い部分を増やしていけば少しずつ前進していきます。しかし、急に伸ばし過ぎても、ピンクの部分に負荷がかかって成長が遅くなります。
爪の白い部分を整えながらハイポニキウムが前進させ、黄金比の美しい爪を手に入れましょう。
深爪を1日も早く治す5つの方法

深爪を治すなら、まずは爪を伸ばすところからです。爪が伸びないことには治らないので、ある程度の期間がかかるのは仕方ありません。
しかし、何も工夫せずにただ伸ばしているだけでは爪が折れてしまったり癖で噛んでしまったりと、治すまでに通常より長い期間がかかってしまうでしょう。
深爪を治す期間を劇的に短縮するのは難しいですが、1日でも早く治すための方法を5つご紹介します。
- 爪を噛まない・むしらない
- 爪切りを使わない
- 清潔を保つ
- 保湿を徹底する
- 足に合った靴を履く
【深爪を早く治す方法①】爪を噛まない・むしらない
爪の噛み癖・むしり癖は深爪を治す大敵。とはいえ「今日から爪を噛まない!」と癖ときっぱりお別れするのは難しいものです。
いきなり癖をやめるのは難しいので、防ぐことから始めましょう。
- 人工爪をつけて深爪矯正をする
- マニキュアを塗る
- 絆創膏を貼る
人工爪を付けると爪が厚くなるので、簡単に噛んだりむしったりできなくなります。また、爪にマニキュアやアートを施せば、爪を傷つけるのがもったいなくなるでしょう。
爪に絆創膏を貼るのも有効手段です。絆創膏が貼られている爪は傷つけにくいですし、絆創膏が目に入れば噛んだりむしったりを踏みとどまれます。
噛み癖・むしり癖がなくなれば、深爪矯正は大きく前進します。深爪と一緒に悪い癖も治してしまいましょう。
【深爪を早く治す方法②】爪切りを使わない
深爪から爪が伸びてきたときは、爪切りではなく爪やすりを使って形を整えましょう。
深爪から伸びてきたばかりの爪はダメージを蓄積しており、爪切りでバチバチ切ろうとすると割れてしまいます。とくに乾燥している爪や薄い爪は、縦に割れてしまう恐れもあるので注意が必要です。
爪やすりは少しずつ削って長さを調整できるので、深爪にならないというメリットもあります。
爪やすりで削るポイントは以下の2点です。
- 爪の長さを指の先と同じくらいに整える
- 爪の角に少しだけ丸みをつける
伸びてきたら、繰り返し爪やすりで爪を整えるようにしましょう。
【深爪を早く治す方法③】清潔を保つ
爪や指の汚れは雑菌繁殖の原因です。雑菌が繁殖すると、悪臭や炎症を発生する恐れがあります。
とくに、深爪は汚れが溜まりやすくなるので、注意が必要です。保湿クリームにホコリやゴミがくっついてしまい、爪と皮膚の間に入ってしまうこともあります。
爪や指の汚れは、丁寧に取り除きましょう。入浴中に爪ブラシや爪垢取りを使って掃除をすれば、爪と皮膚の隙間の汚れもキレイに取れます。爪ブラシで痛みを感じる場合は、綿棒で優しく汚れを取り除くようにしましょう。
細かい汚れを取るために、つまようじなど先の細い物を使いたくなる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、先端の尖った物は、皮膚を傷つけて炎症を起こす恐れがあるのでやめましょう。
【深爪を早く治す方法④】保湿を徹底する
深爪を治すには、爪や指をしっかり保湿するのも重要です。
爪や指をしっかり保湿して、爪が割れたり弱くなったりするのを防ぎましょう。
- 爪全体や爪と皮膚の間にネイルオイルを塗る
- ネイルオイルを爪と爪周りにもみこみながら馴染ませる
- ハンドクリームを手指全体に行きわたらせる
- 手指をマッサージしながらハンドクリームを馴染ませる
ネイルオイルは、浸透力が高いので爪や皮膚の奥までしっかり保湿できます。いっぽうハンドクリームは、爪や皮膚から水分や油分が出ていかないように蓋をするのに効果的です。
忙しい日中にネイルオイルを使った丁寧な保湿は難しいかもしれませんが、入浴後や就寝後、休日など、時間が取れるときはゆっくりとした保湿タイムを作りましょう。
【深爪を早く治す方法⑤】足に合った靴を履く
深爪は、巻き爪や陥入爪になるリスクがあります。爪のトラブルを防ぐために、足に合った靴を履きましょう。
靴を購入するときは実際に店舗で試着し、以下のポイントを意識して選んでください。
- つま先に余裕がある
- 足の甲や足首がしっかりと固定できる
- 足指の上部分に余裕がある
- ヒールの高さは3cmまで
深爪矯正中は、靴紐やテープなどで足と靴をしっかりと固定できる靴がおすすめです。足と靴が密着していると歩くときに靴の中で足が遊ばないので、爪や指への負担を軽減できます。
深爪が痛い!まずは医療機関へ

「深爪が痛い」という方は、医療機関への受診がおすすめです。深爪が痛いのは、炎症を起こしたり化膿していたりする恐れがあります。
通常の深爪は、ネイルサロンやセルフケアで矯正可能です。しかし炎症や化膿、出血を起こしている深爪を治すのは医療行為になるので、医療機関でしか行えません。
深爪で受診する医療機関は、まず「皮膚科」です。爪は皮膚の一部なので、トラブルが発生したときは皮膚科で診てもらえます。
また、深爪は放置すると、巻き爪や陥入爪になっているケースも多いです。巻き爪や陥入爪は症状によって治療法や治療を受ける医療機関が異なります。
どこでどの治療をするのがいいか判断するためにも、プロに相談するのがベストです。
深爪が痛いときは皮膚科を診療して、最適な治療法を見つけましょう。
深爪が痛い原因別│すぐ病院に行けないときの対処法

深爪が痛い原因は大きく4つあります。
- 化膿性爪囲炎
- ひょう疽
- 巻き爪
- 陥入爪
とはいえ、仕事や家事、育児など日々忙しい状態だと、すぐに病院に行くのは難しいでしょう。
病院に行けないときの対処法を原因別にご紹介します。ただし、ご紹介する方法はあくまで対処法であって、完全に治す方法ではありません。
痛みや深爪から解放されるためには、1日も早く病院を受診することをおすすめします。
【深爪が痛い原因①】化膿性爪囲炎
化膿性爪囲炎とは、「爪の周囲の皮膚の小さな傷から細菌感染して、痛みや腫れ、炎症、膿が生じる病気」です。
深爪で本来爪の下にあるはずの皮膚がむき出しになっていると、爪の周りは外からの衝撃や感染に弱くなるため化膿性爪囲炎になりやすくなります。
たとえば、爪の角が皮膚にあたって傷ができた部分から細菌が入り込み、爪の根元に向かって進行していきます。
化膿性爪囲炎には、以下の3つを取り入れて痛みや症状を和らげましょう。
- 絆創膏を貼って化膿部分への衝撃を軽減する
- 抗生物質入りの塗り薬を使用する
- 解熱鎮痛剤を服用して痛みを和らげる
【深爪の痛い原因②】ひょう疽
ひょう疽は、化膿性爪囲炎と同じく爪囲炎の一種で、指の腹側に痛みや腫れ、炎症、膿が生じます。
ひょう疽に対処する方法は以下の3つです。
- 絆創膏を貼って化膿部分への衝撃を軽減する
- 抗生物質入りの塗り薬を使用する
- 解熱鎮痛剤を服用して痛みを和らげる
ひょう疽と化膿性爪囲炎は両方とも「黄色く膿の溜まった部分が気になる」という方が多いですが、自分で膿を出すのはNGです。
自分で無理やり膿を出すと、傷口からまた細菌が入って症状を悪化させる恐れがあります。自分でするのは応急処置に留めて、本格的な治療は病院にお任せしましょう。
【深爪が痛い原因③】巻き爪
巻き爪も深爪が痛い原因です。
爪にはもともと巻く性質があります。深爪になり続けていると、爪の端が皮膚に食い込んで内側に巻きやすくなり、巻き爪になってしまうのです。
食い込みが痛いからといって爪の端を切ると、爪の巻き方はいっそうひどくなる恐れがあります。深爪の爪を切るのは、深爪を重症化させることにしかならないのでやめましょう。
巻き爪が軽度の状態であれば、以下のような方法を試してみてください。
- テーピング法
- コットンパッキング法
- 巻き爪矯正グッズを活用する
痛みがひどい場合には、解熱鎮痛剤を使って痛みを和らげるのもいい方法です。
出血をしているような重度の場合は、対処法では治せません。1日も早く病院へ行きましょう。
【深爪が痛い原因④】陥入爪
陥入爪とは、爪の角の先が皮膚に刺さって炎症を起こしている状態です。陥入爪も巻き爪と同様に刺さっている部分の爪を自分で除去するはNGです。
患部の爪を除去は、一時的に痛みが緩和されるでしょう。しかし、爪は同じ方向に向かって伸びるので、結局また同じような部分に刺さってしまいます。
陥入爪は、以下のような方法で爪が皮膚に刺さるのを防ぎましょう。
- テーピング法
- コットンパッキング法
深爪を治す一番の方法は爪を伸ばすことですが、陥入爪の状態で爪を伸ばすのはおすすめできません。病院へ行って陥入爪への対策が整ってから、深爪を治すようにしましょう。
まとめ

深爪の治る期間の目安は2つあります。
- 深爪の長さを治す期間:約2ヶ月
- 深爪を健康な爪に治す期間:約6ヶ月
深爪が長さだけ戻しても完治とはいえません。時間はかかりますが、爪の質やケア方法、噛み癖・むしり癖などを改善しながら健康な爪を取り戻しましょう。
深爪が痛いのは、ほかの症状を併発している恐れがあります。「腫れて痛い」「膿んでいる」といったときは、皮膚科を受診して最適な治療を受けましょう。