病気

巻き爪のコットンを使ったセルフケア!痛み改善にやるべきことも解説

巻き爪は爪が内側に巻きこんでいる状態のことで、痛みや炎症が起こってしまうこともあります。巻き爪は症状が軽度であれば、セルフケアで改善することが可能です。

今回はコットンを使ったセルフケアの方法や、セルフケア以外にもできる日常改善をご紹介していきます。

爪の基礎知識と巻き爪のメカニズム

爪の基礎知識と巻き爪のメカニズム

爪は感染を予防したり、感覚器の補助的な役割を果たしたりしています。

巻き爪は足の親指の爪に起こりやすい症状です。爪には足を踏ん張ったり、ものを掴んだりする力とのバランスを取るために指の側面に向かって弯曲があります。しかし窮屈な靴を履いたり歩く機会が減ったりするなどして、その弯曲の力と地面を押す力のバランスが崩れると「爪が内側に巻く状態」になります。さらに巻いた爪が皮膚に爪が食い込んでしまうと、痛みが出たり炎症が起こったりするのです。

指の断面

巻き爪のコットンを使ったセルフケアの基本をおさえよう

巻き爪のコットンを使ったセルフケアの基本をおさえよう

巻き爪の発生するメカニズムは、「爪が巻く力」と「支える力」のバランスが崩れてしまうことだとわかりました。

コットンの基本

つまり2つの力のバランスを取り戻すことができれば、巻き爪は緩和されるはずです。

基本をおさえれば陥入爪もケアできる

巻き爪とよく間違われる症状で「陥入爪」があります。巻き爪と陥入爪の違いは以下の通りです。

  • 巻き爪…爪が横方向に巻きこみ、皮膚を圧迫する
  • 陥入爪…爪の角がトゲのようになり、皮膚に刺さって炎症を起こす

陥入爪は軽傷であれば、巻き爪と同じようにコットンでセルフケアすることが可能です。ただし陥入爪の場合は爪の両端の長さが短いので、爪の角が指の先端から触れるくらいまで伸ばしてからコットンをはさむようにしましょう。

巻き爪のコットンを使ったセルフケアの方法

巻き爪のコットンを使ったセルフケアの方法

巻き爪は症状が進行して爪が皮膚に食い込んでいくと、歩行が困難になることもあります。セルフケアの方法を覚えて、巻き爪の症状を緩和させましょう。

セルフケアは難しくないので、正しく行えば効果がぐっと上がります。

①まずは足をきれいに洗うところから

まずはお風呂で爪や指をきれいに洗いましょう。爪と皮膚の間にゴミが溜まっていると、炎症を起こす原因になります。痛みを伴う部分は無理にこする必要はありませんので、優しく洗ってください。

また入浴後の爪は軟らかくなるので、コットンを詰めやすくなるというメリットもあります。

②道具の準備

コットンセルフケアの道具

次にセルフケアに必要な物をご紹介していきます。

【用意する物】
  • コットン
  • ピンセット
  • テーピング
  • コットンは、医療用だけでなく化粧用のものも利用できます。またピンセットがない場合は、つまようじでも代用可能です。ただしつまようじの先端は尖っているので、皮膚を刺して傷つけないように注意してください。

    テーピングはドラッグストアや100均に売っているものを使用しましょう。伸縮性のあるものを選んでおくと、巻いた後に指の関節に負担をかけにくいです。

    ③コットンのサイズを整える

    コットンをちぎる

    ピンセットでコットンをちぎり、米粒状に丸めましょう。コットンのサイズの目安は5~7mm程度ですが、あくまで自分に合った適量にすることが大切です。ちぎったコットンが大きすぎると皮膚と爪の間が広がりすぎ、かえって負担をかけてしまいます。爪と皮膚が圧迫されて違和感が出ないように、コットンの大きさや硬さを調節しましょう。

    もしコットンが難しい場合は無理やり詰めずに、ティッシュなど薄いものから使ってみるのも効果的な方法です。

    ④コットンを爪と皮膚の間に挟み込む

    コットンを爪と皮膚の間に挟み込む

    ピンセットを使って、ゆっくりと皮膚と爪の間にコットンを差し込みます。このときに皮膚を無理に押し過ぎないように気をつけましょう。ピンセットの代わりにつまようじで押し込むときは、先端で皮膚を傷つけないように注意してください。また乾いたコットンが入りにくい場合は、コットンを消毒液で濡らして爪と皮膚の間に滑らせるようにすると、スムーズに入っていくはずです。

    もしコットンが落ちてきそうなら、絆創膏などで固定してコットンの位置がずれないようにしましょう。

    爪には適度な長さが必要です

    爪には適度な長さが必要

    爪の長さが十分にない状態で無理やりコットンを詰めると、爪が圧迫されて剥がれたり割れたりする恐れがあります。爪の端が深爪で短くなっている場合は、爪を伸ばして爪と皮膚の間にコットンを詰められる余裕を作ってからセルフケアを行いましょう。

    ⑤テーピングする

    引っ張りながら巻く

    コットンの圧迫を緩和するために、テーピングを追加しましょう。

    1. テーピングを爪が皮膚に食い込んでいる部分の横側に貼ります。
    2. 軽く引っ張りながらテーピングを指の下に回していきます。
    3. 引っ張るのを維持しながら、指の下から上にテーピングを回していきます。
    4. 引っ張ったテープの端を指の上に貼り付けましょう。

    最後に表に持ってきたテーピングが指の2つの関節にまたがってしまうと、指が固定されて動きづらくなってしまいます。また指の付け根をテープでぐるぐる巻きにすると、血行不良になる可能性があるので、注意してください。

    巻き爪のコットンでのセルフケアは長期間はNG

    巻き爪をセルフケアしても、なかなか効果が実感できない場合もあります。それには以下のようなことが考えられます。

    • 巻き爪の症状が重い
    • セルフケアのやり方が間違っている
    • 痛みや炎症の原因が巻き爪ではない

    このような場合、どんなにコットンでのセルフケアを続けても巻き爪を完治するのは難しいです。

    また2021年3月に在宅医療マッサージ株式会社が実施した調査によると、巻き爪のケアを始めて「3ヶ月未満で完治した人」が34.9%と最も多いことに次いで、「完治しなかった人」が22.5%だったそうです。

    引用元:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000042652.html

    この結果からわかるように、だいたい3ヶ月が皮膚科など専門家に相談するべきタイミングといえます。セルフケアを過信しすぎずにプロのアドバイスや施術を受けることで、一日も早く巻き爪の辛さから解放されましょう。

    巻き爪のコットンセルフケアは清潔が命!

    巻き爪のコットンセルフケアは清潔が命!

    巻き爪のコットンセルフケアは、清潔を保つことが肝心です。入浴後や運動後に汗をかいたときなどはコットンとテーピングを必ず取り換えるようにしましょう。濡れた状態のコットンを挟みこんだままにしておくと、雑菌がわいて炎症がひどくなったり膿んだりする可能性があります。

    またコットンとテーピングを取り換えるときに足が水や汗で濡れっぱなしになっていると、取り換える意味がありません。雑菌の原因となる水分はふき取ってから、交換するようにしてください。

    巻き爪の痛み改善のためにやるべき6つのこと

    巻き爪の痛み改善のためにやるべき6つのこと

    巻き爪の痛み改善にはコットンのセルフケアだけでなく、日常生活を見直すことも大切です。

    【巻き爪の痛み改善のためにやるべきこと】

    • 爪を正しく切る
    • 靴は自分の足に合ったものを選ぶ
    • 移動は徒歩を積極的に取り入れる
    • 正しい歩き方を身に付ける
    • 足の清潔を保つ
    • 足を保湿する

    日常生活を改善することは巻き爪の痛み改善だけでなく、予防にも大きな効果があります。

    やるべきこと①爪を正しく切る

    第一にやるべきなのは「爪を正しく切ること」です。爪の肌色の部分や指の形に沿って爪を切っている人をよくお見かけしますが、実はこの切り方はよくありません。正しい爪の形は四角形の角を少し丸くする「スクエアオフカット」です。

    スクエアオフカット

    【スクエアオフカットにする手順】

    1. 爪の先を指の長さに揃えるイメージで、直線になるように少しずつ切る
    2. 爪やすりを使って爪の角を丸くする
    3. 爪の先も爪やすりを使って、引っ掛かりがないように整える

    個人差はありますが、1ヶ月に1回くらいのペースで爪を整えてあげましょう。

    やるべきこと②靴は自分の足に合ったものを選ぶ

    次に重要なのは「自分に合った靴を選ぶこと」です。靴には24.0cmなどサイズ表記がありますが、人の足の形にはそれぞれ個性があり、サイズだけで「自分に合う靴」を選ぶことができません。実際に両足とも試着して、足にきちんと合っているかを確認するようにしましょう。

    【巻き爪の予防におすすめの靴の特徴】
  • つま先にゆとりがある
  • かかと部分がしっかりしている
  • かかとが高すぎない(2.3cmまで)
  • 靴ひもやベルトで足周りを調節できる
  • 靴だけでなく靴下も見直しましょう

    足元は靴だけでなく、靴下も見直してみましょう。

    巻き爪の痛みを改善する靴下のポイントは2つあります。

    • 締め付けの少ない靴下
    • 五本指ソックス

    締め付つけ感の強い靴下は指先を圧迫するので、巻き爪の症状を悪化させてしまうかもしれません。購入前によく確認して、サイズの合ったものやゆとりのあるつくりの物を選びましょう。

    また五本指ソックスは指先が一本ずつ独立しています。そのため足全体にバランスよく圧力がかかり、正しい歩き方をしやすくなるはずです。

    やるべきこと③移動は徒歩を積極的に取り入れる

    歩く機会が減ると、巻き爪になりやすくなるといわれています。歩くことによって、足の指は地面から適度な刺激を受けます。その刺激によって、爪は平坦な形を保っているのです。

    生活習慣としてウォーキングを取り入れたり、意識的に一駅分歩いたりなど積極的に徒歩を取り入れることは、巻き爪予防に非常に効果的です。

    やるべきこと④正しい歩き方を身に付ける

    徒歩を積極的に取り入れるだけでなく、歩き方そのものを見直すことも大切です。正しい歩き方を身に付ければ、足の爪の変形を防ぐことができます。

    【正しい歩き方】

    1. つま先を正面に向けて、足を前に出す
    2. かかとで着地してから、重心を前方に移動する
    3. 上半身が前に出たら、重心は小指の付け根から親指の付け根へと内側に移動する
    4. 最後に親指へ重心が移動するイメージで、着地を完了する

    最初からスムーズに歩くのは難しいですが、重心を意識しながらゆっくり歩き方を身に付けましょう。また正しい歩き方には正しい姿勢も大切です。背筋を伸ばし、腕を後ろ側に振ることを意識してみてください。

    やるべきこと⑤足の清潔を保つ

    「巻き爪のコットンセルフケアは清潔が命!」でもご説明しましたが、巻き爪の痛み改善には足の清潔を保つことが大切です。巻き爪になると、爪が皮膚に食い込んだ部分に、皮脂や汗、古い角質などの爪垢が溜まりやすくなります。

    爪垢は、雑菌による炎症や膿といった皮膚トラブルや悪臭の原因です。入浴後にコットンを取り換えるのはもちろん、タオルや歯ブラシに石鹸をつけて優しくなで洗いするなどして爪垢を取り除くようにしましょう。

    やるべきこと⑥足を保湿する

    爪が乾燥すると硬くもろくなって、外からの圧力を受けやすくなります。外からの圧力を受けやすいと内側に巻いてしまうので、巻き爪の原因になります。また足先が冷えて血行が悪い状態だと、爪を作るための栄養が行き届かないため健康な爪が生えません。

    使用するのは市販のハンドクリームで問題ありませんので、足全体をしっかり保湿してあげましょう。

    まとめ

    まとめ

    巻き爪にコットンを使ったセルフケアは効果的です。しかし「強い痛みがある」「膿が出ている」といった場合は、皮膚科や巻き爪専門の医院などを受診してみましょう。

    また3ヶ月セルフケアを続けて効果がみられてないときにも、巻き爪のプロに相談してみてください。

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