病気

【陥入爪のお悩み徹底ガイド】陥入爪の痛みを放置しても治りません

指先の違和感で気づく陥入爪。日常が忙しく「勝手に治ってくれないかな」と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。

残念ながら、陥入爪は見て見ぬふりをしても治りません。放っておくと症状が進行し、痛みが増すばかりです。自然に治らないなら、早く解決してしまいたいですよね。

本記事は、陥入爪のお悩みを抱えている方への徹底ガイドです。

「陥入爪にはどんな治療法がある?」「足のケアをしているのに、陥入爪になってしまう」という方は、ぜひ最後までごらんください。

陥入爪は爪が皮膚に刺さって痛い

陥入は、「落ち込むこと」「初期発生の段階で、上皮細胞層の一部が内側へ向かってくぼみこむ現象」という意味です。(参照:webio辞書

陥入爪とは意味通り、「爪のカドが皮膚の内側に食い込んでいる状態」のことをいいます。

陥入爪が怖いのは、爪は伸びるという点です。初期段階では「ちょっとチクチクする」といった違和感のある程度ですが、爪が伸びるにつれて皮膚に深く刺さるようになります。

陥入爪を放っておくと、炎症や化膿が起こったり爪が皮膚を貫通したりと、症状・痛み共に進行していくので非常に危険です。

陥入爪は、早めに治療するようにしましょう。

陥入爪と巻き爪の違い

陥入爪と巻き爪は異なる現象です。

  • 陥入爪:爪のカドが皮膚の内側に食い込んでいる状態
  • 巻き爪:爪の横側が内側に巻いている状態

文字だけで見ると違いがわかりにくいかもしれませんが、決定的な違いは「痛みの有無」です。

 爪が巻いている爪が巻いていない
指に痛みがある巻き爪と陥入爪の併発陥入爪
指に痛みがない巻き爪正常な爪

陥入爪は、皮膚に爪が刺さっており、指に違和感や痛みがあります。いっぽう巻き爪は爪が内側に巻く現象なので、痛くないこともあるのです。 また、巻き爪が進行すると、爪が皮膚に刺さって陥入爪になるケースがあります。

陥入爪とひょう疽(ひょうそ)の違い

ひょう疽は、指先や爪の周囲の小さな傷から細菌に感染し、化膿性炎症を起こしている症状です。

患部が赤く腫れ、痛みや疼痛があります。

  • 陥入爪:爪のカドが皮膚の内側に食い込んでいる状態
  • ひょう疽:指先や爪周囲が細菌によって化膿している症状

陥入爪は、ひょう疽の原因の一つです。

ひょう疽の原因は以下のようなものがあります。

  • 陥入爪
  • 巻き爪
  • ささくれ
  • 爪噛み
  • 深爪
  • 木片・魚の骨などによる傷

ひょう疽を起こす細菌は、人体に害をおよぼすさまざまな毒素を発生させます。放っておくと炎症が骨や腱に進行するケースもあるので、注意しましょう。

陥入爪の原因

陥入爪の原因はおもに「深爪」です。深爪にしてしまうと、爪のカドは指の先から外に向けて伸びるのではなく、皮膚に向かって伸びることになります。

陥入爪になりやすい状態になっているところに、サイズの合わない靴などで足指が圧迫されると、いっそう陥入爪になるリスクが高まります。

陥入爪を後押ししてしまう大きな要因
  • サイズの合わない靴
  • 間違った爪切り
  • 足変形
  • 爪の病気

陥入爪は、外反母趾のような足変形や爪白癬が原因になるケースもあります。

陥入爪には、靴のサイズや足の形など気を付けなければならない点が多くありますが、まずは深爪にしないことを最優先しましょう。

陥入爪の予防法

陥入爪を予防するコツは3つです。

  • 正しい爪切りをする
  • 足指の圧迫を避ける
  • フットケアで清潔をキープする

陥入爪の一番の原因である深爪にしないためには、なによりも爪切りが大切です。

爪の長さを指先と同じくらいに揃え、カドに少し丸みを帯びた四角い形に整えましょう。爪に長さを持たせてカドを丸くすれば、指に刺さりにくくなります。

足指の過度な圧迫を避けられるよう、自分の足に合った靴を選びましょう。紐ひもで幅を調節できるタイプであれば、フィットさせやすく足指への負担も少なくなります。

靴の選び方を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

陥入爪の予防で意外と見落とされがちなのが、フットケアです。

まずは、自分の足を見たり触ったりして、痛いところやキズになっているところがないかチェックするようにしましょう。自分の足に関心を持つようにすれば、陥入爪や巻き爪を初期の段階で発見できます。

爪と皮膚の間に角質などの汚れが貯まると爪が圧迫されるため、陥入爪を悪化させる恐れがあります。「丁寧に洗浄」「しっかり乾燥」「保湿剤を塗布」の順番にケアし、清潔をキープしましょう。

陥入爪の治療法

陥入爪には、さまざまな治療法があります。

治療法自分で施術
テーピング法
コットンパッキング法
アクリルガタ―法×
人工爪法×
フェノール法×
NaOH法×

陥入爪の治療は、早めに行うに越したことはありません。初期の段階であれば、自分で治療することも可能です。

しかし、「痛みがひどい」「化膿している」といった状況になってしまうと、ご自身が想像しているよりも悪化している場合もあります。

自分で治療することにこだわり過ぎずに、専門家に相談しましょう。

【陥入爪の治療法①】自分で治す方法

自分で行える治療方法は2つあります。

  • テーピング法
  • コットンパッキング法

どちらの方法もドラッグストアやインターネット通販で安価で購入できる物を使用するので、病院で治療するよりも治療費が安く済みます。

【テーピング法】

伸縮性のある医療用テープを使用します。一般的に2.5cm×6cmの大きさが使いやすいですが、自分の指や爪の大きさに合わせて調節しましょう。

患部の皮膚と爪を引き離すのがポイントです。

【コットンパッキング法】

医療用か化粧用のコットンを米粒大にちぎって使用します。患部にコットンを挿入するので、痛みを感じるときはコットンの量を減らしましょう。

ピンセットや爪垢取りのような先の細い物を使うと、コットンを詰めやすいです。

陥入爪には自分でできる治療法があります。しかし、強い痛みや炎症、化膿など、症状が進行している場合、自分で治療しても効果は得にくいです。

【陥入爪の治療法②】専門施設で行う方法

専門機関での治療法と受けられる施設は、以下のようになります。

治療法皮膚科フットケア外来形成外科外科・整形外科
テーピング法××
コットンパッキング法××
アクリルガタ―法××
人工爪法×××
フェノール法××
NaOH法××

皮膚科とフットケア外来では、自分でもできるテーピング法やコットンパッキング法の施術ややり方の指導を受けられます。「自分で治療するのは自信がない」という方は、まず皮膚科かフットケア外来を受診するといいでしょう。

皮膚科とフットケア外来で受けられる治療法には、アクリルガタ―法もあります。アクリルガタ―法は、皮膚と爪の間にアクリル製のチューブを挿入する治療法です。

テーピング法やコットンパッキング法と同じく、皮膚と爪を引き離して炎症を納める方法ですが、通常は麻酔を使用します。アクリルガタ―法は、無麻酔なら自分でも施術可能です。しかし、施術中の痛みが強いのでおすすめできません。

人工爪法は、患部に当たっている爪をアクリル樹脂で人工爪を作って伸ばし、皮膚に刺さらないようにする治療法です。人工爪法は、ネイルサロンで受けることも不可能ではありません。ただし、出血や炎症、化膿など症状が進んでいる場合の施術は「医療行為」になってしまうため、お断りされてしまいます。

フェノール法とNaOH法は、爪を根元から除去する手術治療です。刺さっている爪が物理的になくなり、陥入爪の痛みから解放されます。ただし、除去された範囲の爪は二度と生えてこなくなるため、爪幅が狭くなってしまうのがデメリットです。

陥入爪になりやすい人

陥入爪のおもな原因は「深爪」です。陥入爪を後押ししてしまう要因には、サイズの合わない靴や間違った爪切りなどが挙げられます。

しかし「とくに深爪にしていない」「サイズの合わない靴は履いていない」といった場合でも、深爪でお悩みの方はいらっしゃるでしょう。

以下のような特徴がある方は、陥入爪になりやすいのでご自身にあてはめてみてください。

陥入爪になりやすい人
  • 足に負担をかけるスポーツをしている人(サッカー、野球、バレエなど)
  • 股関節が硬い人
  • 過体重で足に負担がかかっている人
  • 寝たきりの人
  • 入院で歩かない生活が続いている人
  • 外反母趾や偏平足といった足変形がある人
  • 浮き指の人
  • 爪幅が広い人
  • 爪が薄い人(とくに子ども)

家族同士は骨格や体格がよく似ているとおり、指の形や爪の質も似ていることが多いです。家族に陥入爪で悩んでいる人がいる場合、爪幅や薄さなど陥入爪になりやすい体質が遺伝しているかもしれません。

陥入爪でお悩みの人からよくある質問

陥入爪でお悩みの方からのさまざまな質問にお答えしてまいります。

ぜひ、陥入爪治療の参考にしてください。

陥入爪はほうっておいてもよくなりますか?

陥入爪は、ほうっておいてはダメです。陥入爪を放置すると、炎症や出血、化膿など症状が悪化していきます。皮膚に刺さっている爪は伸び続けるので、先端が指を貫通してしまうケースもあるのです。

初期の段階であれば自分での治療も可能なので、爪が皮膚にあたるような違和感のあるときはすぐに処置しましょう。

陥入爪は病院に行ったほうがいいですか?

陥入爪の治療は、病院以外に自分や接骨院、当院のような巻き爪専門院で治療可能です。

しかし、以下のような場合は医療行為になるので、病院でしか治療を受けられません。

  • 患部が化膿している
  • 出血がひどい
  • 炎症がひどい

また、悪化した陥入爪をかばっていると、ひざや腰など体のほかの部分に負担がきてしまいます。足指以外の治療も必要な場合は、必ず病院に行きましょう。

手に陥入爪ができる原因は何ですか?

足よりも少ないケースですが、手にも陥入爪はできます。

手の陥入爪の原因
  • 深爪をしている
  • 頻繁にジェルネイルの交換をしている
  • 爪のケアをしない

足の爪と同じように指の爪も深爪にすると、陥入爪になりやすいです。

ジェルネイルやネイルをはがすときには、爪を乾燥させる作用のあるアセトンの含まれている液剤を使用します。

頻繁に交換すると爪が乾燥して変形し、皮膚に刺さるようになるのです。反対に、爪のケアを怠っている場合も爪が乾燥するので、注意しましょう。

陥入爪の手術は保険がききますか?

陥入爪の手術は保険適用です。

また、手術以外の陥入爪の治療も、基本的には保険が適用されます。ただし、病院によって保険適用外の可能性もあるので、「保険が適用できるか」「どのような治療をするのか」など、しっかりと説明を受けたうえで、治療を進めましょう。

陥入爪の手術は何日くらいかかりますか?

陥入爪の手術は、手術そのものは5~10分ほどです。手術の前の麻酔や術後の出血チェックの時間などの時間を含めても、30分程度で終わります。

陥入爪の手術の場合、基本的に入院は必要ありません。当日帰宅でき、シャワー浴など日常生活が可能です。日常生活ができるとはいえ、運動や飲酒は控えて安静にしましょう。

まとめ

陥入爪は放置して治るということはありません。痛みに耐えて我慢しているあいだにも、症状は進行し、爪はどんどん食い込んでいきます。

症状が浅いほど簡単な治療で短期間に治せます。ふだんから爪のチェックを行い、ささいな変化にでも気づけるようにしておきましょう。

また、生まれ持った爪の性質や生活の状況など、自分では防ぎようもない事情が陥入爪の原因になっている場合もあります。

「どんなにケアしても陥入爪を繰り返してしまう」といったお悩みを抱えている方は、当院のような巻き爪専門院や病院といった専門施設にご相談ください。

関連記事