陥入爪とは爪の端が棘のようになり、皮膚に食い込んでいる状態です。痛みを取るために棘のようになっている爪を、爪切りで切っている人も多いのではないでしょうか?
実はその「爪切りで切る」という行為はNGです!
棘になっている爪を切れば、一時は痛みから解放されます。しかしまた爪が伸びると痛みが始まります。
今回は陥入爪を無理に切らない治療方法や予防法をお教えします。最後まで読んで一日も早く陥入爪の痛みから解放されましょう。
陥入爪とは?原因を解説

陥入爪とは、爪が指に刺さって痛みや炎症を引き起こしている状態です。
巻き爪と症状がよく似ているため混同されがちですが、まったく違います。陥入爪は爪の側縁の先端が皮膚に刺さっている状態で、一方巻き爪は爪の側面が内側に巻きこんでしまうことです。また人によっては陥入爪と巻き爪を併発しているケースも多いです。
陥入爪の原因は多くの場合は、間違った爪の切り方をしたことによる深爪です。また以下のようなことが原因になります。
- 自分の足に合っていない靴を履く
- 歩き方
- 浮指
- 外反母趾や偏平足
- 加齢
- 爪が薄い
陥入爪が悪化すると爪周りの皮膚が炎症を起こして赤く腫れたり、感染症を引き起こしたり、肉芽ができたりします。
陥入爪の治療法は2つ

病院で受けられる陥入爪の治療方法は、大きく2つあります。具体的にどのような治療方法なのか、ご紹介しましょう。
治療方法①保存的治療
保存的治療は手術をしない治療方法で、陥入爪の治療によく用いられます。保存的治療には以下のようなものがあります。
治療法 | 概要 |
アクリル人口爪法 | 爪の先にアクリル樹脂の人口爪を付けて爪の食い込みを防ぐ方法。 治療前に麻酔が必要な場合もある。 日常生活に支障が出にくい。 |
ガタ―法 | 爪と皮膚の間にチューブを挿入して、チューブで爪の先を保護して爪が皮膚に食い込むのを防ぐ方法。 治療前に麻酔が必要な場合もある。 日常生活に支障が出にくい。 |
VHO法 | 専用のワイヤーを爪の左右にひっかけて、専用のフックで巻き上げる方法。 施術してから痛みはほぼなく日常生活に支障は少ないが、矯正力がやや弱い。 |
ワイヤー法 | 爪の白い部分の2か所に穴を開けて、形状記憶合金のワイヤーを通して爪を矯正する方法。 施術が簡単で痛みはないが、深爪の場合穴を開けるスペースがないため施術できない。 |
テーピング法 | 軽度の陥入爪を矯正する方法。 指の皮膚をテープでひっぱることで、爪の食い込みを軽減する。 |
また炎症や感染症などの症状によっては、内服薬や外用薬を処方されるケースもあります。
治療方法②外科的治療
外科的治療とは、治療前に麻酔をして手術を行う治療法です。
外科的治療法には、以下のような治療法があります。
治療法 | 概要 |
爪の棘の部分切除 | 局所麻酔をして、皮膚に食い込んでいる爪を除去する方法 。 爪が刺さっていた部分の腫れが十分に引かない場合は、陥入爪が再発する場合もある。 |
フェノール法 | 皮膚に食い込んでいる爪を根元から除去し、除去した爪の根元をフェノールという薬品で処置する 。 処置した部分の爪は生えてこなくなるため、爪の幅が狭くなる。 |
NaOH法 | 皮膚に食い込んでいる爪を根元から除去し、除去した爪の根元をNaOHという薬品で処置する 。 処置した部分の爪は生えてこなくなるため、爪の幅が狭くなる。 |
爪郭部切除術 | 爪の周囲の皮膚を除去する方法。 |
外科的治療なら食い込んでいる部分の爪を根元から除去できるため、治療後の再発のリスクが低くなります。
陥入爪の治療はどこで受けるべき?

陥入爪の治療方法はわかりましたが、どこに行けば適切な治療を受けられるのでしょう。陥入爪の治療はおもに皮膚科や形成外科、整形外科、フットケア外来で受けられます。
- 皮膚科・・・保存的治療がメイン
- 形成外科・・・外科的治療が受けられる
- 整形外科・・・専門分野によって、細かく分かれている。足の筋肉や骨、関節などを専門に扱っている整形外科なら、陥入爪の治療が可能
- フットケア外来・・・保存的治療がメイン。整形外科や形成外科などと連携して症状改善を目指す
陥入爪にお悩みの場合、いきなり外科的治療を選択する必要はありません。まずは皮膚科を受診して、どのような治療がふさわしいか相談しましょう。
自分でできる陥入爪の治し方

ごく軽度の陥入爪なら、ご自身で治療するのもありです。「なかなか病院に行く時間がない」というときは、ここで紹介する治し方を試してみましょう。
ただしご自身での治療で無理は禁物!炎症や痛みが引かない場合は、なるべく早く専門家に診せるようにしましょう。
コットンパッキング法
コットンパッキング法は、爪の変形が軽度な場合に大変有効です。爪と皮膚の間にコットンを挿入して、痛みを軽減させます。
あらかじめコットンを濡らしておくと、爪と皮膚の間に詰めやすいです。しかしコットンを詰め込み過ぎると、かえって痛みが強くなる恐れがあるので注意してください。
またコットンパッキング法を行っている間パッキンは毎日交換し、足の清潔を保つようにしましょう。
テーピング法
療法なかでもっとも簡単です。爪の食い込んでいる皮膚にテープを張り、皮膚と爪の間に隙間ができるように引っ張って固定します。
皮膚が下方向に引っ張られることによって、爪が皮膚に食い込むのを防ぎます。利用するテープは、伸縮性のあるものを選びましょう。またテープでなくても、絆創膏で代用可能です。
テーピング法を行っている間は、入浴後などに毎日テープを交換して足の清潔を保ってください。
市販の矯正グッズを使う
陥入爪と巻き爪の症状は異なりますが、原因や治療方法は同じ場合も多いです。陥入爪が軽度のときは、市販されている巻き爪の矯正グッズを試してみましょう。
市販の矯正グッズには、大きくテープタイプとワイヤーの2つの種類があります。サイズも豊富なので、グッズと爪のサイズが合っているか確認してから購入するようにしてください。爪のサイズや厚みに合っていないグッズだと、装着しても効果を得にくいです。
また陥入爪に痛みがある場合は、市販の痛み止めを試してみましょう。痛みを緩和するには、イブプロフェンやロキソプロフェンの含まれた塗り薬をおすすめします。
ただし市販の塗り薬は、痛み止めであって「化膿止め」ではありません。症状がよくならないときは、ただちに使用をやめて専門家に相談しましょう。
爪を伸ばして正しい切り方をする
先に述べた通り、陥入爪になるもっとも多い原因は深爪です。つまり単純に爪を伸ばせば、陥入爪は改善されます。爪の正しい切り方の基本は「スクエアオフカット」です。スクエアオフカットができるくらいに爪を伸ばしていきましょう。
ただ爪を伸ばすだけだと伸ばしている過程で皮膚に棘状の爪が刺さって、かえって痛みが増してしまう場合があります。しかし痛いからといって棘になっている爪を切ってしまうのは禁物です。
コットンパッキング法やテーピング法を併用し、痛みや炎症を避けながら爪を伸ばしていきましょう。
爪が十分に伸びてきたら、スクエアオフにカットしていきます。
- 爪の長さを指の先を目安にして真っすぐに整える
- 爪の角を爪やすりで丸く整える
- 爪の先端部分も爪やすりで滑らかにして引っ掛かりがないようにする
爪の端を削り過ぎるとまた皮膚に食い込む原因になるので、注意しましょう。
これはNG!爪のよくない切り方
爪のピンク色の部分に沿って白い部分を切ってしまったり、爪の端を大きく斜めに切ってしまったりする切り方をバイアスカットといいます。
これは間違った爪の切り方です。爪の端を短く切ると皮膚に刺さりやすくなります。バイアスカットにすると、陥入爪になるリスクが高まります。
また繰り返しお伝えしているとおり、深爪も絶対にNGです。指の先端よりも短く切り過ぎると深爪になり、陥入爪になりやすくなります。
陥入爪の肉芽を自分で治すのはNG

陥入爪で炎症が起こると、赤く腫れた部分にさらに爪が食い込みます。この状況が悪化すると、爪の刺さっているあたり皮膚に「肉芽(にくげ)」という赤いできものができます。肉芽ができると、痛みが一層強くなってしまいます。
陥入爪による肉芽の痛みは、コットンパッキング法やテーピング法で緩和可能です。しかしこれらは根本的な解決になりません。
陥入爪の肉芽は、病院を受診して治療を受けるようにしましょう。病院で受けられる治療は以下のようなものがあります。
- ステロイド外用薬を処方してもらう
- 抗生物質の内服薬を処方してもらう
- 冷凍凝固療法で肉芽の部分を壊死させる
- 手術で肉芽を切除する
肉芽は放置すると、細菌感染して膿が出ることもあります。また激痛から靴を履くのが困難になったり歩行できなくなったりなど日常生活に支障が出る場合もあるので、早めの対処が大切です。
陥入爪の肉芽治療の後にキズパワーパッドはダメ!
陥入爪の肉芽を病院で治療した後に傷が早く治るといわれている「キズパワーパッド」を利用しようとする人がいますが、おすすめできません。
キズパワーパッドは、傷口を密閉して外部からの水やバイ菌の侵入をしっかり防ぐ一方、体液をやわらかいゲル状にして吸収・保持し、適度な湿潤環境を維持します。
しかし肉芽治療後にキズパワーパッドを使うと、体液を吸い切れず細菌感染するなどかえって状態を悪くしてしまいます。肉芽の治療後の傷口に絆創膏を使うなら、従来の絆創膏を利用して毎日取り換えて清潔を保ちましょう。
陥入爪の予防方法!セルフケアをマスター

すでに陥入爪になってしまったものは、仕方のないことです。しかしもしも陥入爪になる前に予防できれば、後から痛みで苦しまずに済みますよね。
陥入爪を予防する方法は「正しい爪を切る」「こまめなフットケア」の2つだけです。具体的にご紹介していきます。
正しく爪を切る
足の爪の伸びる速度は1ヶ月1mmほどなので、頻繁に切る必要はありません。反対に切り過ぎてしまうと、キレイな爪の形に整えられるまでに時間がかかります。神経質になり過ぎず、月に1度のチェックで爪の形を整えるようにしましょう。
爪を切るのには、道具も大切です。ご自宅にある爪切り刃の形を確認してみてください。多くのご家庭には、テコ式で中心になるほど刃が引っ込んだ形になっているカーブ型の爪切りがあるのではないでしょうか。
実はこのカーブ型の刃が、爪の端を短く切ってしまう原因になります。正しい爪切りに適しているのは、直線刃の爪切りです。道具は直線刃の爪切りと爪やすりを用意してください。
爪の正しい形は、スクエアオフカットです。もう一度切り方のおさらいをしておきましょう。
- 爪の長さを指の先を目安にして、直線刃の爪切りで真っすぐに整える
- 爪の角を爪やすりで丸く整える
- 爪の先端部分も爪やすりで滑らかにして引っ掛かりがないようにする
爪切りで爪を切るのが難しいときは爪やすりで少しずつ整えていくようにし、深爪にならないように気をつけましょう。
こまめなフットケア
足の爪のトラブルを防ぐには、日常のフットケアが大切です。
入浴時に漠然と足を洗って済ませていませんか?少しポイントを見直すだけで、足の清潔さは格段に上がります。
【入浴時に足を洗うポイント】
- 足を洗うタオルは綿など肌に優しい素材を選ぶ
- 指の間もしっかり開いて洗う(手と足で握手をするようにする)
- 石鹸はしっかり泡立ててから
- 洗った後は水分をしっかりと拭き取る
入浴後は足の保湿も欠かさないようにしましょう。保湿剤は湿度や温度に合わせて選ぶとよりよいです。
保湿剤の種類 | 特徴 | 使い方 |
ローション | 皮膚に浸透しやすいが 保湿力が長続きしない 洗い流しやすい | 気温の高い夏場などに使うと◎ |
クリーム | ローションよりも油分が多く、保湿力が長続き べたつきを感じる場合がある | ローションの後に塗ると保湿力がアップ |
さらに乾燥が気になるときローション+クリームの後にワセリンを薄く上から塗って、保湿力が逃げないように蓋をしてあげましょう。
こまめなフットケアをすれば、陥入爪以外の足のトラブルにもいち早く気づけるはずです。
まとめ
陥入爪の治療方法や予防法についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
陥入爪は軽度であれば、ご自身で治療することも可能です。しかし出血や化膿している陥入爪をご自身でケアすると、かえって状況を悪化させる原因になりかねません。
早い段階で、専門家に相談することをおすすめします。
また陥入爪には日頃のケアも大切です。正しい爪切りやフットケアを行い、まめに爪や足の状態をチェックするようにしましょう。