病気

陥入爪で病院を受診するなら何科?治療方法や保険適用について解説

「陥入爪が痛くて病院に行きたい」

「陥入爪って何科に行けばいいの?」

陥入爪の治療がしたくても、何科に行くのが正解なのかお悩みの人は多いのではないでしょうか?

陥入爪を患っている状態で、病院を探し回るのは心身ともにツライですよね。

本記事では、陥入爪で受診できる診療科目や治療法について詳しく解説していきます。最後まで読んで、陥入爪の適切な治療を受けてください。

陥入爪で受診できる診療科目は4つ

陥入爪で受診できる病院の診療科目は、おもに以下の4つです。

陥入爪の診療科目
  • 皮膚科
  • 外科
  • 形成外科
  • 整形外科

 

診療科目できる治療
皮膚科おもに保存的治療
施設によって、矯正治療が受けられることもある
外科外科的治療
陥入爪の治療を取り扱っていないケースもある
形成外科外科的治療
爪水虫などの皮膚疾患には対応できない施設もある
整形外科矯正治療

陥入爪は受診する科によって受けられる治療が大きく異なるので、爪の症状によってどの科を診療すべきか検討する必要があります。

また、皮膚科や外科、形成外科、整形外科で治療できるといいますが、施設によっては陥入爪の治療を取り扱っていない場合もあるため注意が必要です。

何科に行くか迷ったらまずは皮膚科を受診

「症状によってどの科を診療するか検討したほうがいい」といわれても、実際のところ自分自身で判断するのは難しいものです。

何科に行くのか迷っているときは、まず皮膚科を受診しましょう。爪は皮膚の一部なので、皮膚科なら問題なく陥入爪の診察をしてくれます。爪の周りの皮膚の痛みや炎症にも対応可能です。

また、陥入爪や巻き爪は、糖尿病や膠原病などほかの病気が原因のときもあります。そのような場合には、内科や整形外科といった受けるべき科の紹介もしてくれるでしょう。

陥入爪で病院を受診するときのポイント

陥入爪で病院を受診するときのポイントは、2つあります。

陥入爪で病院を受診するポイント
  • できるだけ早く病院を受診する
  • 再発するケースもあると知っておく

 

陥入爪の治療は早く始めるほど、簡単な治療で治せます。ただし、爪がいい状態に治ったとしても、自分自身の習慣によっては再発するかもしれません。

できるだけ早く病院を受診する

陥入爪を放置しておくと、爪が皮膚に与えるダメージが大きくなり、出血や化膿、肉芽のリスクが高まります。

炎症や皮膚の痛みには、ステロイドの塗り薬や抗菌薬の内服薬で治療する方法がありますが、成果が見られない場合には外科的治療を行わなくてはいけません。

外科的治療は陥入爪の完治を見込める代わりに、切除した爪は二度と生えてこなくなります。

爪を綺麗な形に治したいなら、できるだけ早く病院を受診しましょう。

再発するケースもあると知っておく

足は第二の心臓といわれているとおり、体全体に繋がる重要なところです。足の健康を損なうと、足以外の部分が悪くなるリスクもあります。

陥入爪の治療をして爪が正常に戻ったとしても、以前と変わらない生活をしていては陥入爪が再発するかもしれません。

陥入爪の治療後には、以下のような生活習慣を見直しましょう。

生活習慣の見直しポイント
  • 足の清潔を保つ
  • 正しい爪切りをする(スクエアオフカットにする)
  • 自分の足に合った靴を履く
  • 正しい歩き方を身につける
  • バランスのいい食生活を心がける

 

日常生活の意識を少し変えるだけで、陥入爪の再発リスクは格段に減らせます。

病院でできる陥入爪の保存的治療

保存的治療とは、症状の直接の原因を取り除くのではなく、「症状の改善を目指す治療」をいいます。

病院でできる陥入爪の保存的治療は、おもに4つです。

陥入爪の保存的治療
  • 爪甲部部分切除
  • ガタ―法
  • 人工爪法
  • 矯正治療(巻き爪が原因の場合)

 

患部に化膿や炎症がある際は、保存的治療のほかにステロイドの塗り薬や抗菌薬の内服薬が処方される場合もあります。

爪甲部分切除

爪甲部分切除は「皮膚に食い込んでいる部分の爪の角を切除する」治療方法です。皮膚に刺さっている棘状の爪がなくなるので、足の痛みが大きく軽減されます。

爪の角をただ切り取るだけではなく、後から生えてくる爪が再度皮膚に刺さらないようにする工夫が必要です。

陥入爪の棘になっている爪を自分で切ると、伸びてきた爪がまた皮膚に刺さって痛みが出る恐れや、切り方を失敗して痛みが増すケースもあります。

爪甲部分切除は自分で行わず、皮膚科など専門機関で行うようにしましょう。

ガター法

ガタ―法は、「皮膚と爪の間にチューブを入れて、皮膚に爪が刺さるのを防ぐ方法」です。施術するときは強い痛みがあるので、局所麻酔を行います。

ガタ―法は爪が皮膚に刺さらなくなるだけではなく、チューブで爪の生える方向を誘導して正常な形に伸ばせるのがメリットです。

【ガタ―法の手順】

 

ただし、ガタ―法は、重度の陥入爪や患部が化膿している場合に施術できない場合があります。

人工爪法

人工爪法は、「爪にアクリル樹脂の人工爪を付けて、皮膚に爪が食い込むのを防ぐ方法」です。人工爪で爪が伸びた形に整えるので、皮膚に爪が食い込まなくなります。

また、後から生えてくる爪が、正常な形に矯正される効果も特徴です。

【人工爪法の手順】

 

巻き爪が原因の場合は矯正治療も有効

陥入爪の原因が巻き爪の場合には、巻き爪の矯正治療も効果的な治療方法になります。矯正治療とは、「矯正器具を用いて爪を正常な形にする治療方法」です。

矯正治療に用いる矯正器具は、おもに「クリップ」「プレート」「ワイヤー」の3つがあります。

矯正器具内容
クリップ矯正器具を爪の先に引っかけて、爪を正常な形に矯正する方法
例)ネイルエイド
プレート形状記憶の金属や樹脂のプレートを爪の表面に装着して爪を正常な形にする方法
例)B/Sスパンゲ法
ワイヤー爪の先端や爪の側面にワイヤーを装着して爪を矯正する方法
例)マチワイヤー法、3TO-VHO法

巻き爪の矯正器具は、インターネット通販やドラッグストアでも気軽に手に入ります。症状が軽度であれば、自分で治療を試みるのもいいでしょう。

病院でできる陥入爪の外科的治療

外科的治療とは、「手術を行う治療法」のことです。

病院でできる陥入爪の外科的治療は、2つあります。

陥入爪の外科的治療
  • フェノール法
  • NaOH法

 

どちらも陥入爪の根本から取り除く治療なので、完治が期待できます。

フェノール法

フェノール法は、「フェノールという薬剤で爪の根元を焼き切り、爪を生えなくする方法」です。

爪をつくる爪母ごと処置してしまうので、突き刺さっていた部分の爪は完全になくなります。ただし、切除した部分の爪は二度と生えてこなくなるため、爪の幅が狭くなるのがデメリットです。

【フェノール法の手順】

 

フェノール法は痛みの少ない手術法なので、化膿や炎症が見られる場合でも施術できます。また、手術当日に歩行や帰宅が可能です。

NaOH法

NaOH法は、「水酸化ナトリウム(NaOH)で爪の根元を焼き切り、爪を生えなくする方法」です。フェノール法と同様に爪母を処理するため、患部の爪は永久に生えてきません。

【NaOH法の手順】

 

NaOH法は、施術前に麻酔をするので、痛みがほとんどないのが特徴です。また、施術時間が20分ほどと非常に短く、体の負担も小さく済みます。

陥入爪の治療は保険適用外って本当?

陥入爪の治療は、保険適用と保険適用外があります。

保険適用の治療方法爪甲部分(爪棘)切除
ガター法
人工爪法
フェノール法
NaOH法
保険適用外の治療方法巻き爪の矯正治療

巻き爪の矯正治療は、巻き爪が原因の陥入爪に有効な治療法です。しかし、治療費は全額自己負担になります。

というのも、巻き爪の矯正治療は「予防的ケア行為=医療行為ではない」だからです。

経済産業省のグレーゾーン解消制度に基づき、2017年には「爪の矯正は予防的ケアなので、医師法第17条に抵触しない」と正式な規制緩和の発表がありました。(経済産業省「高齢者介護施設におけるフットケアサービスの実施に係る 医師法の取り扱いが明確になりました」)

つまり、巻き爪の矯正治療は医師でなくても施術できる代わりに、医療行為ではないため保険適用外になるのです。

病院以外で陥入爪の治療ができる場所4選

経済産業省が巻き爪の矯正治療の規制緩和を行ったことから、病院以外でも陥入爪の治療を受けられるようになりました。

「病院が遠くてすぐに行けない」「忙しくて病院に行く暇がない」というときには、以下の場所で予防ケアが受けられます。

病院以外で陥入爪の治療ができる場所
  • 巻き爪治療院
  • ネイルサロン
  • 接骨院
  • 自宅

 

ただし、病院以外の場所では医療行為は受けられません。陥入爪の予防ケアは受けられますが、出血や炎症、化膿に対する処置ができないことを知っておきましょう。

巻き爪治療院

当院のような巻き爪専門院や巻き爪治療院は、爪の矯正を専門に行っています。おもに、プレートやワイヤーなどの矯正器具を使う施術を行っており、軽度の陥入爪の治療にも対応可能です。

どのような治療が行えるのかは各治療院によって異なるので、気になる場合は事前に問い合わせたほうがいいでしょう。

また、巻き爪治療院矯正治療に特化しているものの、症状が重い場合の施術は難しいです。「出血を繰り返している」「症状が重いのか判断できない」といったときは、皮膚科を受診するようにしましょう。

ネイルサロン

ネイルサロンでは「爪を削る」ことで、陥入爪をケアできます。爪を正しい長さや形に削って整えながら、爪が皮膚に刺さらないように補正する施術です。

ネイルサロンは、遅い時間まで営業しているお店も多くあるため、「仕事で病院の開いている時間に間に合わない」という人でも比較的通いやすいでしょう。

ただし、無理に爪を削ったり間違った形に整えてしまったりすると、症状を悪化させる恐れがあります。

接骨院

接骨院は、おもに矯正器具やテーピングを使った施術が可能です。

陥入爪が痛いと患部をかばった姿勢や歩き方になり、膝や腰など体のさまざまな部分の不調に繋がります。膝や腰の痛みやゆがみの矯正は接骨院の得意分野なので、陥入爪の治療とともに再発防止のケアもできるでしょう。

ただし、接骨院は医療機関ですが、医師がいないため医療行為はできません。炎症や出血、化膿がある場合は、病院を受診してください。

自宅

病院や巻き爪治療院などに通う時間がなかなか取れない場合は、まず自分で応急処置をしてみましょう。

先にもお伝えした通り、棘状になった爪を自分で切ってしまうと、爪が伸びてきたときにまた皮膚に刺さってしまう恐れがあります。

爪は無理に処置せずに、痛みを緩和させることが大切です。

ドラッグストアやインターネット通販には、自分で装着できる巻き爪の矯正器具がたくさん販売されています。

また、テーピングを利用して皮膚と爪を引き離すようにすると、痛みの緩和に効果的です。

ただし、症状が重たい場合、自力で完治させるのは簡単ではありません。自宅での治療は、あくまで応急処置だと理解しておきましょう。

【まとめ】陥入爪が痛いときはセルフケアより病院を受診したほうがいい

陥入爪は、皮膚科や外科、整形外科、形成外科を受診できます。また、どうしても「病院やサロンに通う時間がない」ときは自宅で処置も可能です。

しかし、自分でのケアは、矯正器具選びが難しかったり処置方法を間違ったりといったリスクがあります。

誤った処置は陥入爪を悪化させてしまいますので、なるべく早く病院を受診するようにしましょう。

関連記事