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巻き爪の治療は何科でできる?病院とサロンの違いについても解説

巻き爪の痛みや炎症でお悩みの方は多いのではないでしょうか?しかしいざ治療できるところと言われると「内科?」「外科?」「皮膚科?」と迷ってしまいますよね。

巻き爪はその症状や治療法によって、行くべき施設が異なります。

今回は巻き爪の治療ができるところや治療法の違いなどについて、詳しく解説していきます。巻き爪の治療にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

巻き爪の治療方法は3種類

巻き爪の治療方法は3種類

一口に巻き爪の治療といっても、その方法は「保存療法」「矯正療法」「手術療法」の3つに分類できます。

たいていの人は、保存療法や矯正療法で巻き爪を治すことが可能です。しかしそれらの治療方法で症状の改善が難しいときには、手術療法で爪を切除することになります。

治療方法①保存療法

保存療法

保存療法は、巻き爪の初期症状の場合に用いられる治療法です。保存療法には3つの治療法があります。

抗菌薬による保存療法

内服や外用の抗菌薬、消毒液などを用いて治療します。巻き爪はごく軽度の場合、抗菌薬などによって痛みを軽減させることが可能です。

コットンパッキング法やテーピングによる対象療法

皮膚と爪の間にコットンを詰めたりテーピングで皮膚と爪の間を開けたりすることで、巻き爪の痛みを和らげる方法です。

爪と皮膚の当たりが緩和されるので痛みが少なくなりますが、爪が巻き過ぎていると効果が出にくくなります。

肉芽腫形成に液体窒素療法

液体窒素療法はもともとイボ除去治療の一つで、皮膚科で行う医療行為です。液体窒素で肉芽を凍結壊死させて、肉芽腫を小さくします。

ただし液体窒素療法は肉芽形成に対する治療なので、巻き爪の根本的治療になるとは限りません。

治療方法②矯正療法

矯正療法

巻き爪の矯正治療は、「矯正器具」「ワイヤー」「プレート」を使用します。矯正治療をすれば、比較的短期間で完治可能です。しかし方法によっては、短すぎる爪や極端に変形した爪に器具が装着できないため施術できないことがあります。

矯正器具を使用する方法

矯正器具を使用する方法は、金属でできた器具を爪の先やふちにひっかけるようにして爪の形を矯正していく方法です。主な方法としてはVHO巻き爪矯正があります。

ワイヤーを使用する方法

爪に2つの穴を開け、形状記憶合金のワイヤーを通して矯正する方法です。多くの治療院では、マチワイヤー法が行われています。

プレートを使用する方法

樹脂や形状記憶合金などでできた板状のプレートを爪の表面に貼って、爪の形を矯正します。矯正療法の中でも、矯正用の器具が一番目立ちにくいのが特徴です。

形状記憶プレート法やB/Sスパンゲ法を行っている治療院が多いですが、近頃はペディグラステクノロジーを施術できるところも増えているようです。

治療方法③手術療法

手術療法

手術療法は、早く確実に巻き爪を治すのに非常に効果的です。特に以下のような状況の場合には手術療法を選択したほうがいいでしょう。

  • 肉芽腫が重症化していて液体窒素療法などの保存療法では改善がみられない
  • 痛みが強くて触れることすら困難
  • 保存療法や矯正療法のための通院に時間をかけていられない

手術療法は巻き爪の治療に効果的な一方、一度手術をすると爪の幅が狭くなって二度と元に戻すことができません。そのためいきなり手術療法をすることは少なく、爪の形を残すことができる矯正治療が主流の治療方法になっています。

巻き爪が痛い!治療は何科でできる?

巻き爪が痛い!治療は何科でできる?

巻き爪がごく初期症状であれば、市販の器具や薬を使って応急処置をすることは可能です。しかし処置の仕方が間違っていると、症状を悪化させてしまう恐れもあります。

巻き爪は、初期段階のうちに適切な治療を受けることが完治への近道です。ここでは巻き爪の治療を受けられる施設や受けられる治療についてご紹介していきます。

皮膚科

巻き爪の治療で一番代表的なのは、皮膚科です。皮膚科と聞くと意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし爪は皮膚の一部なので、皮膚科で専門的な治療を受けられます。

皮膚科は全国に10,000施設を超えており、身近なところで通院できることが大きなメリットです。ただしどこの皮膚科でも巻き爪の専門的な処置ができるわけではなく、矯正療法を受けられる医院は限られています。

皮膚科での主な治療法は保存療法です。内服や外用の抗菌剤を渡され、必要であればコットンパッキングやテーピングなどの対象療法が施されるでしょう。また肉芽腫の形成が見られるときは、液体窒素療法もよく行われています。

しかしいずれの保存治療も巻き爪の根本的な治療にはなりません。なかなか改善が見られない場合は、巻き爪に詳しい施設で見てもらったほうがいいでしょう。

巻き爪矯正に対応している皮膚科はほんの一部ですが、マチワイヤー法やB/Sスパンゲ法などの本格的な矯正を行っています。

フットケア外来

フットケア外来は巻き爪だけでなく、足の変形やむくみ、痛みなど足に関する症状を専門的に扱っています。

足の症状に合わせて症状悪化の防止や日常生活での足のケア方法などを、アドバイス・指導しながら実際のケア受けられます。

フットケア外来は足全般のお悩み相談をするところという性格を持つことから、専門的な矯正治療よりも皮膚科と同じく保存療法をするところが多いようです。

また症状が重症化しているときなどは、他の治療施設を勧められる場合もあります。

形成外科

形成外科で行われる治療は手術療法で、矯正療法に対応しているところはごく一部です。

もともと巻き爪の治療法は、手術療法がメインでした。しかし様々な矯正療法が開発されたことにより、巻き爪で手術を受ける人は減ってきています。

しかし巻き爪の最終的な治療が手術療法であることには変わりないので、手術が必要となったときには形成外科を受診しなくてはいけません。

ただし巻き爪の手術が行えるのは、総合病院や大学病院など手術設備の整った病院の形成外科医です。街中の開業医では手術設備を確保するのは難しいため、巻き爪の手術療法ができる形成外科はあまりありません。

反対に巻き爪で形成外科を受診した場合、手術療法が中心になっています。矯正治療に対応しているところのほうが少ないことも知っておきましょう。

整形外科

整形外科は骨や関節の痛みなどに対応しており、なかには巻き爪を扱っている整形外科もあります。

巻き爪は歩き方のバランスなどと関係が深いので、足を専門分野とする整形外科は巻き爪に対応している可能性が高いです。

実際に矯正療法のマチワイヤー法の開発者は、日本の整形外科医の町田英一先生です。このことから整形外科で行われる治療法は、ワイヤーによる矯正治療がメインになっています。

ただし整形外科で巻き爪に対応しているところは少ないので、受診する前に確認する必要があります。

サロン・接骨院など

巻き爪の矯正治療はサロンや接骨院といった医療機関以外でも受けることができます。というのも、平成28年に「巻き爪の矯正は医療行為に該当しない」と示されたからです。

このことによりネイルサロンや接骨院などが巻き爪矯正に参入し、より身近なところで矯正治療を受けることが可能になりました。

サロンなどで行われている矯正治療はプレートを使用する方法が中心で、特にネイルサロンでは見た目の美しさも重視する傾向があります。

またサロンや接骨院は病院ではないので、医療行為ができません。巻き爪の矯正治療であっても出血や化膿、肉芽腫といった症状のある場合は、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

巻き爪の症状によって他の科の受診をおすすめされることもある

巻き爪の症状によって他の科の受診をおすすめされることもある

ここまで皮膚科やフットケア外来など、巻き爪になったときの治療施設をご説明してまいりました。しかし症状によっては「内科」を勧められるケースもあります。

巻き爪の原因は、以下のようなことがよく挙げられます。

  • 間違った爪切り
  • 足の形に合わない靴を履いている
  • 歩き方が悪い

しかし実は内科系の病気が原因で巻き爪になっているケースもあります。例えば糖尿病の場合は爪に栄養が行きわたらなくなるため、爪が正常に伸びなくなって巻き爪になることもあるのです。

このような内科系の病気の所見がある場合は、内科を勧められます。内科で診てもらわなければならない病気を放置しておくと、どんなに巻き爪の治療をしても悪化する一方です。

早めに受診して、専門的なアドバイスを受けるようにしましょう。

巻き爪で肥厚爪になっているときは何科がいい?

肥厚爪と巻き爪を併発してしまったときは皮膚科やフットケア外来、形成外科などの医療機関を受診するようにしましょう。

肥厚爪とは爪が分厚くなってしまうことです。肥厚爪の原因は、以下のようなものが考えられます。

  • 間違った爪切り
  • 足の形に合わない靴を履いている
  • 爪の根本に過度な負担がかかっている

上記のように肥厚爪の原因は巻き爪の原因と共通している部分があるので、併発する場合も多いです。肥厚爪と巻き爪を併発すると分厚い爪が皮膚側に巻いてしまうので、セルフケアでの処置は難しくなります。

また巻きこみが強く炎症や化膿している場合の巻き爪の治療は医療行為になるので、サロンや接骨院などでは施術を受けることができません。

巻き爪で肥厚爪になっているときは皮膚科などの医療機関を受診して、適切な処置を受けてください。

巻き爪の治療を病院ですると保険適用になる?

巻き爪の治療を病院ですると保険適用になる?

先にも少しお伝えしましたが、平成28年に国が「巻き爪の矯正は医療行為に該当しない」と示したことから、巻き爪の治療は保険適用にならない場合があります。

  • ワイヤーやプレートの矯正治療
  • ネイルサロンなど医療機関以外での施術

基本的に矯正治療は保険適用にならない場合がほとんどです。しかし医療機関にもよって異なることもあるので、受診する前にあらかじめ確認することをおすすめします。

一方で保険適用になるケースは以下の通りです。

  • 内服・外用抗菌剤の処方
  • 皮膚に食い込んだ部分の爪を取り除く処置
  • セルフケアの指導
  • 巻き爪の手術療法
  • 手術のための事前検査

巻き爪治療の主要となる矯正治療はほぼ保険適用外なので、1回の施術の料金や通院回数の目安などをよく調べてから受診しましょう。

まとめ

巻き爪の治療ができる施設についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

巻き爪の治療のできる施設はおもに以下の5つです。

  • 皮膚科・・・保存療法・矯正療法
  • フットケア外来・・・保存療法
  • 形成外科・・・手術療法
  • 整形外科・・・矯正療法
  • サロン・接骨院・・・矯正療法

ただしそれぞれの施設で行っている治療法が違うので、注意が必要です。また皮膚科やフットケア外来、形成外科であっても、全ての医療機関が巻き爪に対応しているとは限りません。

事前に問い合わせをしたり口コミを参考にしたりしながら、ご自身に合った巻き爪治療を受けてください。

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