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陥入爪が化膿して痛い!悪循環させないための応急処置や治療法を解説

陥入爪を放っておくと、傷口から細菌が入り化膿することがあります。「痛いな」と見てみると、指の端の方が黄色っぽくなっていることはないでしょうか?

陥入爪の化膿はしっかり治さないと、何度も繰り返したり症状が悪化したりします。

本記事では陥入爪の化膿へ対処する方法について詳しく解説していきます。最後まで読めば、陥入爪の化膿を完治させる方法が見つかるはずです。

陥入爪の悪循環!化膿する原因

陥入爪とは、爪の端の先端が皮膚に刺さって痛みや腫れといった炎症を起こしている状態です。

爪が皮膚に食いこんで傷ができると、傷口から黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が入って化膿して「ひょう疽(ひょうそ)」という細菌感染症を引き起こす場合があります。

陥入爪の化膿を何度も繰り返すと、化膿性肉芽種ができてますます治りにくくなる恐れがあるので注意が必要です。

陥入爪の化膿を放置するとどうなる?

陥入爪の化膿を放置すると細菌感染が進行し、腫れが大きくなったり痛みが強くなったりします。ここまで進行している時点で、見て見ぬふりをしているのは危険です。

爪の痛みがひどいと歩行困難になるため、腰痛などの原因になります。指先だけの問題ではなく、体全体に影響が出るようになるのです。

また放置し続けると膿瘍が末骨節や関節まで進み、骨髄炎や壊死にまで発展する恐れがあります。指先が壊死した場合には指の一部を切断しなくてはならないこともあるので、早めに病院を受診するようにしましょう。

陥入爪の化膿の応急処置の仕方

陥入爪の化膿には早めの対処が肝心です。すぐに病院に行けないとき、まずはご自身で応急処置をするようにしましょう。

ごく初期の段階であれば、応急処置をすることで症状が改善する場合もあります。

応急処置の方法
  • 1日3回の消毒
  • 優しく傷口を洗う
  • テーピング

化膿している箇所が気になるからといって、膿を無理やり絞り出すのは厳禁です。優しくケアをしてなるべく早く病院を受診するようにしてください。

1日3回の消毒

消毒には、血液や膿などで傷口の化膿の進行を防ぐ役割があります。傷口の細菌を洗い流すようなイメージです。消毒の頻度は1日3回。朝・昼・夜(入浴後)がベストです。

消毒液は以下のような液体タイプが使えます。

画像出典:Amazon
メーカー第一三共ヘルスケア
薬品名マキロンS
有効成分ベンゼトニウム塩化物
アラントイン
クロルフェニラミンマレイン酸塩
画像出典:Amazon
メーカー塩野義製薬
薬品名イソジンきず薬
有効成分ポピドンヨード

優しく傷口を洗う

今の状態よりも細菌を増やさないためには、傷口や傷口の周りを清潔にすることも大切です。1日に1回やわらかい歯ブラシを使って、炎症を起こしている付近を優しく洗っていきます。

陥入爪は爪と皮膚の間に溝ができているので、爪垢が溜まりやすいです。爪垢が貯まると、陥入爪を圧迫したり雑菌の繁殖によって炎症が悪化したりします。

ただし、炎症を起こしているあたりを歯ブラシでこすると痛いかもしれません。そのようなときは無理にこするのではなく、痛みの少ない部分だけ掃除するようにしましょう。

テーピング

固い爪が皮膚に刺さり続けていると、いつまでたっても傷口がふさがりません。テープを使って、皮膚に爪が刺さらないようにしましょう。テープがない場合は、絆創膏で代用できます。

【用意する物】

市販の医療用テープ(伸縮性のあるもの)もしくは絆創膏

【手順】

  1. テープを2.5cm×6.0cmの大きさに切る
  2. 爪の刺さっている皮膚の端にテープを貼る
  3. 爪と皮膚の間を広げるようにテープを引っ張る
  4. テープを引っ張った状態のまま指の腹側に回す
  5. テープを指の上まで回し固定する

テープを引っ張って皮膚と爪の間隔を開くことで痛みを緩和します。テープの代わりに絆創膏を使用するときは、両端を少し切り落として固定しやすくしましょう。

陥入爪の化膿に市販薬は使える?

陥入爪の化膿への応急処置として、市販薬は使えます。ただし市販薬で完治は難しいので、あくまで一時的な処置として利用しましょう。

陥入爪の化膿の応急処置には、炎症を抑える化膿止め(抗生物質)と痛み止め(鎮痛剤)が有効です。

【化膿止め】

抗生物質 市販薬の例
オキシテトラサイクリン塩酸塩
画像出典:Amazon
テラ・コートリル軟膏a(ジョンソン・エンド・ジョンソン)
フラジオマイシン硫酸塩
画像出典:Amazon
ベトネベートN軟膏AS(第一三共ヘルスケア)
コリスチン硫酸塩
画像出典:Amazon
ドルマイシン軟膏(ゼリア新薬)
クロラムフェニコール
画像出典:Amazon
クロマイ-P軟膏AS(第一三共ヘルスケア)

【痛み止め】

鎮痛効果のある成分 市販薬の例
ロキソプロフェン
画像出典:Amazon
ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)
イブプロフェン
画像出典:Amazon
イブA錠EX(エスエス製薬)

ひどく化膿している場合や痛みが強いときなどは、迷わず病院を受診することをおすすめします。

陥入爪の治療にキズパワーパッドはダメ!

陥入爪の治療にキズパワーパッドは向いていません。

キズパワーパッドは傷口に密着し、体の内側から出てくる体液で傷口を覆うことで傷を早くきれいに治します。

しっかりと密着するので、空気に触れる刺激や外側から侵入しようとする菌から守ってくれます。反対にすでに内側に入っている菌の逃げ場がないため、症状を悪化させてしまうのです。

陥入爪で化膿している場合は傷口をキレイに洗い、清潔にすることを最優先にしましょう。

また応急処置のテープの代用に、キズパワーパッドを利用するのもあまりおすすめではありません。

テーピングの効果を左右するのは、巻き方と清潔であってテープの種類ではないです。テーピングのテープは毎日張り替えたほうがいいので、価格の高いキズパワーパッドではコストがかかってしまいます。

効果が変わらないのであれば、安いテープや絆創膏を使ったほうがいいですよね。治療の面でもコストの面でも、陥入爪の化膿にキズパワーパッドは向いていないといえます。

陥入爪が化膿したときの病院での治療法

病院を受診したほうが、陥入爪の化膿は確実に治せます。

病院で行われる治療法はおもに3つです。

治療法おもに治療を受けられる科保険適用
ガタ―法皮膚科、フットケア外来、形成外科、整形外科
矯正治療皮膚科、フットケア外来、形成外科
(一部の整骨院・ネイルサロン・フットケアサロン等でも可能)
手術治療形成外科

ガタ―法

ガタ―法は、皮膚と爪の間にチューブを挿入し、皮膚を爪が刺さるのを防ぐ方法です。チューブを差し込むことで爪を真っすぐに伸ばし、陥入爪を改善します。

ガタ―法は、施術をしたすぐ後から痛みがなくなるのが大きなメリットです。また施術当日から日常生活に戻れます。

【ガタ―法の手順】

  1. 指の付け根当たりに局所麻酔をする
  2. チューブを挿入できるように爪の下をはがす
  3. 爪と皮膚の間にチューブを挿入する
  4. コーティング剤を使ってチューブを爪に固定する

ガタ―法は化膿が重度の場合には、施術できないケースもあります。

矯正治療

陥入爪の矯正治療はおもに3つです。

使用する矯正器具概要治療方法の例
クリップクリップを爪の先端に装着して爪をもとの形に戻す巻き爪リフト
ネイル・エイド
プレート特殊樹脂などを用いたプレートを爪の表面に装着して爪をもとに戻すB/Sスパンゲ法
形状記憶プレート法 ペディグラス
ワイヤー爪の先端や爪の横側からワイヤーを装着して矯正するマチワイヤー法
3TO(VHO)法

矯正治療は、1度施術しただけで陥入爪の痛みを軽減可能です。しかしいきなり完治するわけではないので、定期的に矯正器具を取り換えながら少しずつ完治を目指さなければいけません。

また化膿や炎症の具合によっては、矯正治療と一緒に内服薬や外用薬を処方されるときもあります。

手術治療

手術治療は部分麻酔をして、手術を行う治療方法です。ガタ―法や矯正治療などで完治が難しいほどの陥入爪の場合、食い込んでいる爪を除去してしまえば陥入爪はなくなります。

また陥入爪になっていた部分を根元から取り去るので、再発の可能性が低いです。

手術治療は以下の2つがあります。

  • フェノール法
  • NaOH法

【手術治療の手順】

  1. 爪の食い込みのある患部や指の根元に麻酔を打つ
  2. 食い込んでいる爪を爪の根元から抜爪する
  3. フェノールやNaOHを用いて爪を抜いた部分の爪母を処理する

手術治療の施術後の痛みは少ないので、入院の必要はなく歩行も可能です。しかし当日は激しい運動などを避けて、安静にするようにしましょう。

陥入爪の化膿を自分で治すメリット

陥入爪の化膿は応急処置と市販薬を使用すれば、自力で治せるかもしれません。

自分でケアして治すのには、3つのメリットがあります。

陥入爪の化膿を自分で治すメリット
  • 通院の手間が省ける
  • 自分の都合のいい時間にケアできる
  • 費用が安い

通院の手間が省ける

自分で治療する場合、通院の手間が省けます。通院には意外と時間がかかるものです。

病院に行くためには、何かしら身支度をしなくてはいけません。また病院から自宅まで公共交通機関を使って通院するとなると、出発・到着の時間も調べる必要があるでしょう。

さらに院内処方の病院でない場合は、処方箋をもらってわざわざ調剤薬局に出向いて薬を受け取らなければなりません。

自分で治療する場合は全てが家の中で完結するので、通院のわずらわしさを感じなくて済みます。

自分の都合のいい時間にケアできる

自分で陥入爪の化膿のケアをする場合、早朝や夜間など時間を気にせずに行えます。急に痛みが増したときにでもすぐに対処できるので、安心です。

通院する場合は、病院の開いている時間に通う必要があります。「すぐになんとかしたい!」といったときに病院が混み合っていると、なかなか順番が回ってきません。

また自分でケアは汗をかいたときなどにいつでも足を洗ったりテーピングを取り換えたりできるので、清潔を保ちやすいです。

費用が安い

病院で陥入爪の化膿の治療は、保険適用外の治療法が多いです。また治療期間が長いためコストがかかります。

たとえば3TO(VHO)法の施術は1回あたり10,000~15,000円で、1か月ごとに取り替えるのが目安です。半年間治療を続けたとすると、費用は最低でも6万円になります。

一方自分で治療すれば、自宅にあるもので対応できます。また治療に必要な歯ブラシやテーピングのテープは、100円ショップで購入することも可能です。

治療したくても「費用が気になる」という方は、まず自分での治療を試してみるといいでしょう。

陥入爪の化膿を自分で治すデメリット

陥入爪の化膿を自分で治すと、手間や時間、コストがカットできます。ただしメリットばかりではありません。

陥入爪の化膿を自分で治すデメリット
  • 再発する可能性が高い
  • 症状が悪化する恐れがある

重い症状の陥入爪を自己流で治そうとすると、かえって状況を悪くする恐れがあります。

再発する可能性が高い

完治していない状態で中途半端に治療をやめると、また元の悪い状態に戻って症状が再発してしまいます。

陥入爪の化膿を自分で治す場合、完治したかどうかを判断するのもご自身です。

しかし完治したかどうかの判断は難しく、「痛みがなくなった!」「爪が刺さらなくなった」と思っても完全に治っていないことも多々あります。

確実な完治を目指したいなら、病院での治療をおすすめします。

症状が悪化する恐れがある

自分での治療で治せる症状には、限界があります。実際のところ陥入爪で化膿している状態は、重症の部類です。

素人が下手に治療を行うと、化膿が治るどころか症状が悪化してしまう恐れがあります。症状が悪化させるのは、化膿を放置するのと変わらないです。

下手な治療を続けて症状が進むと、骨髄炎や壊死になるかもしれません。

陥入爪が化膿しているときの自分での治療は完治を目指すものではなく、あくまで「一時しのぎ」だと考えましょう。

まとめ

陥入爪が化膿して痛いというときには、病院を受診するのが一番です。すぐに病院に行けない場合に応急処置は効果がありますが、完治を目指せるほど効果はありません。

応急処置は「進行や痛みを緩和させるもの」と考え、なるべく早く専門家に相談するようにしましょう。

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